研究の目的

 「履修」「単位」「シラバス」「学籍番号」「フレッシュマンセミナー」など、大学に入学して初めて使う用語について、教職員・学生それぞれが指文字に頼るか、「自己流」の手話単語を使用するかという状況にあります。そのためにどの単語が適切であるのか誰にも分からないという「あいまいさ」が生じています。また、茨城県聴覚障害者情報提供施設から本学に派遣される手話通訳者も大学で使われる用語それぞれについて、指文字を用いてよいのか、どのような形の手話単語を用いてよいのかが分からないという状況が慢性化しています。

 そこで、大学生活の指導などで必要となる手話単語を共有する基盤を本学に整備し、教職員・学生の手話単語力の増強を図ることで、手話コミュニケーション力の全体的な底上げをねらうことを本研究の主題としました。

 本研究代表者は前年に「聴覚管理の指導に係る手話単語の確定研究」を実施し、日本手話研究所の協力を得て確定した手話単語を本学のウェブサイトに映像の形で公開しています。

 このウェブサイトで学内外の教職員や学生が聴覚管理に関する手話単語を学習できるほか、「聴覚障害補償演習A・B」や「聴覚補償教育工学」の授業や聴覚管理・補聴相談などの場で手話単語が導入されているところです。

 平成21年度に行う「大学生活の指導にかかる手話単語の確定研究」は、テーマを聴覚管理から大学生活に変更し、昨年度と同じ手法をもって、大学生活の指導に必要な手話単語を確定し、映像を本学のウェブサイトに公開して、教職員・学生、さらに通訳者がこれらの手話単語を共有できるようにすることを目的とします。

 なお、本研究は平成21年度の筑波技術大学教育研究等高度化推進事業により実施されました。

研究の進め方

1. 手話単語化が必要とされる用語の選定
 聴覚障害を持つ教員が中心となり、手話単語化の必要な大学生活に関連する用語を192語選定しました。この選定にあたって参考にした文献は以下の通りです。
 ・筑波技術大学学生便覧
 ・筑波技術大学開設授業科目一覧
 ・ろう教育の明日を考える連絡協議会,学校生活の手話
 
2. 手話単語の確定
 日本手話研究所標準手話確定普及研究部より本委員5名を本学に招聘し、本学施設を利用して委員会を開催し、192語について手話単語を確定しました。
 
3. 確定した手話の公表
 確定した手話単語の映像を日本手話研究所に作成頂き、本学のウェブサイトにて公開し、インターネットを通して誰でも自由に閲覧できるようにしました。

研究参加者

大杉 豊 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 准教授(本研究代表者)
佐藤正幸 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 教授
井上正之  筑波技術大学 産業技術学部 准教授
米山文雄 筑波技術大学 産業技術学部 講師
田中 晃 筑波技術大学 産業技術学部 講師
高田英一 日本手話研究所 標準手話確定普及研究部 部長
小畑修一 日本手話研究所 標準手話確定普及研究部 研究員
黒崎信幸 日本手話研究所 標準手話確定普及研究部 研究員
青柳美子 日本手話研究所 標準手話確定普及研究部 研究員
西滝憲彦 日本手話研究所 標準手話確定普及研究部 研究員

研究協力者

戸井有希 研究補佐
小縣ありす  記録・映像制作
鈴木 潔 ウェブサイト制作

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