お知らせ
2021年度第3回ろう者学トーク:皆川愛さん
ろう者学ランチトークは、2013年から本学天久保キャンパスを会場として開催してきましたが、2020年度より新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、リモート収録してネットで限定公開する方法に変更しております。2021年度もこの方法を継続しており、第3回ろう者学トークとなります。動画は全国の高等教育機関等で学ぶきこえない学生、きこえにくい学生、支援などに関わる学生、教職員の皆さまにも限定公開にて視聴いただける形としております。本記事の末尾に申込み方法を記載していますので、お気軽にお問い合わせください。
さて今回は、看護師の勤務経験を持ち、研究者としてアメリカでろう者の健康格差の問題に取り組んでおられる皆川愛氏を講師にお招きして、「普通の看護師になるのをやめた」というテーマでご講演いただきました。
最初に講師 皆川愛氏のプロフィールをご紹介いたします。
家族がろう者で、手話でコミュニケーションを取ることが当たり前の家庭で育てられた皆川さんは、小学校から大学まで一般校で学びました。そのうちに、家族の入院をきっかけに看護師を目指すようになります。大学で手厚い情報保障を受けながら勉強した結果、国家試験に合格しますが、様々な病院に応募するもすべて不採用となりました。看護師としての道が閉ざされるのではと諦めかけていた皆川さんは、入居者のほとんどがろう者である、特別養護老人ホーム「ななふく苑」から声がかかります。そして、ろう入院患者の訪問看護を行うなど、看護師としての経験を重ねるようになります。その経験の中で「普通とは何か?」と疑問を持った皆川さんはこう語っています。意識状態を測定するためのチェックリストに「普通の呼びかけで容易に開眼する」という項目があり、きこえる患者ときこえない患者では、それぞれ対応が異なります。しかし、多くの場合にきこえない患者にも音声で呼びかけてしまうという現状があります。社会でいう「普通」となるものは、きこえる人のものさしで作られたものが多いと感じており、きこえない患者を取り巻く医療環境に多くの課題があるといいます。また、きこえない皆川さんは聴診器で診ることができないとはいうものの、聴診器だけでなく他の様々な方法でも診ることはできると見出し、「方法はひとつだけではない」と語ります。ろう者の健康に関する問題と向き合い、ろう健康公平センターで研究されている皆川さんの今後のご活躍に注目したいと思います。
ご講演くださった皆川愛さん、本当にありがとうございました!
視聴の申込方法
本動画の講師である皆川氏は日本手話言語で講演しております。動画は23分48秒で、日本語字幕を付与しています。是非ご視聴ください。視聴をご希望される方は下記をご確認の上、下記申込先までご連絡ください。
教育機関等の名称・部局:
視聴期間:〇月✕日〜〇月✕日(2021年9月から2022年2月までの間、
日曜日開始・土曜日終了の1週間を上限とする)
視聴希望日の1週間前までにお申し込みください。
事務局スタッフの勤務体制により、
日にちによりましてはすぐに対応できない場合がございます。
対象者:きこえない生徒・学生、教職員、支援学生、支援室関係者など
対象者数:
申込先:info●deafstudies.jp
(●に@を入れてご使用ください。)
皆さまのお申し込みお待ちしております。