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ランチトーク2018.07.24

平成30年度第4回ろう者学ランチトーク:太田 吉裕さん

 7月19日(木)に第4回目のろう者学ランチトークが行われました。今回は、NTTクラルティ株式会社に務める太田吉裕さんにお越しいただき、「私のキャリアと現在の活動について」をテーマにお話しいただきました。

 おかげさまで、教員と学生、地域の方々を合わせて、26名の参加がありました。

 (手話言語で)「太っ田」です。
太田(おおた)はどこにでもいるでしょ?だから、私の場合は「太っ田(ふとった)」で覚えてもらいます。

 初めのこの自己紹介で会場に笑いが起きました。視聴者はあっという間に太田ワールドに引き込まれました。
太田さんは本学の前身である筑波技術短期大学の12期生で、電子情報学科に在籍していました。在籍中は大学の勉強は意味があるのか?と何度も中退を考えたことがあるのだそうです。今となっては全国にろう者ならではのネットワークができたから中退しなくて良かったと思っているとのことです。やめていたら今の嫁さんにも出会わなかったし…とも仰っていました(笑)。

 営業を開始したばかりのNTTクラルティ株式会社に初めてのろう者として入社し、当分は情報保障の整備で大変だった話もしてくださいました。情報保障について要望を伝えるスキル、必要な準備などの知識は本学で学んだことが生かされたとのことです。また会議では、ろう者だけでなく、視覚障害者と肢体不自由者と一緒になることがあり、その際にどのような工夫のもと行われているかについても触れていただきました。ろう者と視覚障害者は会話が不可能だと言われていましたが、今ではIPメッセンジャーなどのチャットを使って会話をすることが可能です。

 太田さんが取り組んでいる業務の1つに、聴覚コンサルティングを目指す目的を持つAI技術による手話通訳ロボットの開発があります。講演の最後に、実際にそのロボホンに向かって手話単語を一つ提示し、ロボホンが正確に読み取ることができるか実演してもらいました。あまりの正確さに拍手がわき起こりました。学生の時には本学産業技術学部産業情報学科の河野准教授と共に「こえみる」の開発にも携わっていたそうです。また、社内で、障がい者理解研修や手話講座を開き、講師を務めているとのことです。その研修と講座の一部についてもこのランチタイムで体験させていただきました。手話を教える時は日本語に縛られない“ナチュラルアプローチ”に拘っているとのことです。

 久しぶりの太田さんを一目見ようと足を運んで下さった産業技術学部の先生たちにもツッコミを入れるなど太田ワールドは最後まで炸裂していました。講演後に聞いた話…在学中は学生委員会委員長も務めていたとのことで、その魅力的なコミュニケーションスキルをその当時からお持ちなのだと納得!就活を終え、社会に出る準備をしている4年生には是非とも参考にしていただきたい内容でした。

 「きこえる人と良い関係を築くために気を付けた方が良いことは何ですか?」の4年生の質問に対して、太田さんはこう答えました。
“伝えたいという気持ちを持つこと”
きこえる、きこえないの前に同じ人間なのだから、初めから話を伝えることを諦めていたら、向こうも話をしたいと思いません。

 要するに初めの印象が重要だということですよね。
 参加してくださった皆さん、ありがとうございました!!

ランチトークの様子
ランチトークの様子

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