お知らせ
2022年度ろう者学トーク限定配信(第10回)のご案内 須崎幸一氏「地方公務員として働いて6年」
ろう難聴者の様々な生き方を模索していく学問でもある『ろう者学』。
本学では、ろう者学教育コンテンツの開発及びろう者学を学ぶカリキュラムの作成や提供に取組み、2013年度から取組みの一環として「ろう者学ランチトーク」を開催してきました。
2019年度までは本学天久保キャンパスを会場として対面で開催しておりましたが、2020年度からは新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に伴い、「ろう者学ランチトーク」の開催形態を変更し、「ろう者学トーク」として撮影・編集した映像コンテンツをご提供しております。
「ろう者学ランチトーク」と同様に、本学や他大学等を卒業した後にキャリアを積んでいるきこえない方々を講師として、これまでのご経験や現在の活動を通して、ろう難聴者のキャリア形成に必要と考える知識についてご講演いただいております。
本コンテンツはお申し込みいただきました皆様への限定公開となっておりますが、全国の高等教育機関等で学ぶきこえない・きこえにくい学生、きこえる学生、支援などに関わる学生、教職員の皆さまをはじめ、ろう者学やろう難聴者に関心をお持ちの方々にも視聴いただけます。視聴のお申し込み方法につきましては、下記をご参照ください。
2022年度第10回ろう者学トークの講師は、筑波技術大学の卒業生で、現在は鳥取市役所の保健所職員として新型コロナウイルス感染症対応などで奔走されている須崎幸一氏です。「地方公務員として働いて6年」というテーマでご講演いただきました。
最初に講師 須崎幸一氏のプロフィールをご紹介いたします。
初めて新型コロナウイルス感染症が確認されてから3年が経ち、ウイルスの全貌がほぼ明らかになり、当初のコロナ禍に対する不安や恐怖は減りつつあります。欧米をはじめ、「脱マスク」を実施する国も増えてきましたが、昨年12月から中国での感染が急速に拡大し、コロナ禍の収束がいまだに見えない状況です。新型コロナウィルス感染症拡大前の生活に戻るのに、さらにかなりの時間を要するのではないかと思います。
本学の卒業生である須崎幸一さんは、現在鳥取市役所の職員として保健所で新型コロナウイルス感染症に関する対応業務などをされており、その経験を中心にお話しくださいました。
高校まで一般校に通われていた須崎さんは、筑波技術大学に入学し、本格的に手話を使うようになります。大学を卒業した後、故郷の鳥取にUターンし、鳥取市役所の職員として就職します。最初の3年は、障がい福祉課で主に障害福祉サービスを担当し、障害のある人がヘルパーや介護のサービスを利用できるよう、様々な支援をしてきたといいます。
その後、異動で保健所の保健総務課に配属されますが、その年に新型コロナウイルス感染症が鳥取でも流行するようになり、須崎さんは担当部署ではなかったものの、イレギュラーな状況の中、コロナ対応の業務に追われます。検体採取や採取した検体の運搬、陽性患者の移送など様々な業務に従事していたといいます。また、ホテル療養や在宅療養班の担当として班の立ち上げから運用開始まで関わり、その後も人手不足や緊急対応などで応援として従事されていたそうです。
コミュニケーション手段が口話中心である須崎さんにとって、このような業務で大変だと感じたのがいくつかあったとお話しくださいました。マスクを着用しての会話やパーテーション越しでの会話の聞き取り、電話応対で相手の声が小さく聞き取れないことがあり、補聴器や電話の音量ボリュームを上げるなど工夫していたといいます。会議でも大人数になると聞き取りが難しいので、もう一度聞き直したり隣の人に聞いたりと確認するようにしているとお話しくださいました。
また、残業が1年間で720時間を超えるほどの業務過多だった時期もあれば、選挙や災害時、またはコロナ対応などで休日出勤になることも度々あるそうです。このように須崎さんが精力的に業務されているおかげで、市民の人々の生活が支えられているのでしょう。
ご講演くださった須崎さん、本当にありがとうございました!
講師の須崎氏は日本手話言語で講演いただいております。
動画には日本語字幕を付与していますので、ぜひご視聴ください。(16分17秒)
【お申し込み方法】
視聴をご希望される方は、ろう者学教育コンテンツ開発ウェブサイトの「お申込み&お問い合わせ」のページにて、下記破線内1~5についてご記載のうえお申し込みいただきますようお願いいたします。
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1. 教育機関等の名称・部局:
2. 氏名:
3. 視聴期間:〇月✕日〜〇月✕日(2023年2月から2023年3月までの間、日曜日開始・土曜日終了の1週間を上限とする)
※視聴希望日の約1週間前までにお申し込みください。
4. 利用目的:(例:授業、研修、視聴会など)
5. 対象者数:〇名
※本コンテンツは学生、教職員、支援・教育関係者の皆様にご視聴いただけます。
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【問い合わせ先】
ろう者学教育コンテンツ開発ウェブサイトの「お申込み&お問い合わせ」のページにてお問合わせください。
※担当者の勤務体制により、映像コンテンツ視聴のお申し込みやお問い合わせの対応にお時間をいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。