お知らせ
2023年度ろう者学トーク限定配信(第3回)のご案内 沼倉昌明氏「デフバドミントンを通してデフスポーツの魅力を考える」
ろう難聴者の様々な生き方を模索していく学問でもある『ろう者学』。
本学では、ろう者学教育コンテンツの開発及びろう者学を学ぶカリキュラムの作成や提供に取組み、2013年度から取組みの一環として「ろう者学ランチトーク」を開催してきました。
2019年度までは本学天久保キャンパスを会場として対面で開催しておりましたが、2020年度からは新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に伴い、「ろう者学ランチトーク」の開催形態を変更し、「ろう者学トーク」として撮影・編集した映像コンテンツをご提供しております。
「ろう者学ランチトーク」と同様に、本学や他大学等を卒業した後にキャリアを積んでいるきこえない方々を講師として、これまでのご経験や現在の活動を通して、ろう難聴者のキャリア形成に必要と考える知識についてご講演いただいております。
本コンテンツはお申し込みいただきました皆様への限定公開となっておりますが、全国の高等教育機関等で学ぶきこえない・きこえにくい学生、きこえる学生、支援などに関わる学生、教職員の皆さまをはじめ、ろう者学やろう難聴者に関心をお持ちの方々にも視聴いただけます。視聴のお申し込み方法につきましては、下記をご参照ください。
2023年度第3回ろう者学トークの講師は、本学卒業生で、バドミントンのアスリートとしてデフリンピックをはじめ世界選手権など多数の国際大会でメダルを獲得され、2025年に日本で開催されるデフリンピックに向けて強化活動に取り組まれている沼倉昌明氏です。「デフバドミントンを通してデフスポーツの魅力を考える」というテーマでご講演いただきました。
最初に講師 沼倉昌明氏のプロフィールをご紹介いたします。
世界で初めてデフリンピックが開催されたのは、1924年のフランス・パリでの夏季大会です。冬季大会も含めさまざまな歴史を経て、初のデフリンピック開催から100年の節目となる2025年に東京で開催することが決定されました。5年間という短期間の中で、オリンピック、パラリンピック、そして、デフリンピックが相次いで日本で開催されるという機会はそうそうあることではありません。これは、多くの日本国民にデフスポーツや手話言語を知ってもらう絶好の機会でもあります。その大会に向けて練習に励むアスリートのお一人である、本学卒業生の沼倉さんにご講演いただきました。
沼倉さんは大学卒業後、トランスコスモス株式会社、さいたま市役所での勤務を経て、現在は、アスリート専業としてトレンドマイクロ株式会社に所属しておられます。沼倉さんのバドミントンの専門種目は男子ダブルスと混合ダブルスで、2019年の世界ろう者バドミントン選手権では団体戦3位、男子ダブルス3位、2022年デフリンピック(ブラジル)では団体戦2位、男子ダブルスでは4位という功績を残されています。
本講演では、バドミントン競技におけるきこえるアスリートとデフアスリートの違い、デフバドミントンの課題を中心にお話しくださいました。バドミントンのシャトル(羽根のついた球)はたった5g程度の軽量であるにもかかわらず、世界の最高速度が493キロという驚異的な記録があるほど、ラケットで打つとものすごいスピードが出るそうです。
デフバドミントンはきこえる人の競技のルールとはまったく同じで、シャトルの当たる音やペア同士の掛け声がきこえないために、競技的にきこえる人と比べて不利になったり、ラケットや身体がぶつかって怪我してしまったりすることがあるといいます。
続いて、デフバドミントンは、一般のバドミントンとの違いが見た目では分からないため特異性が乏しい、バドミントン部のあるろう学校が少ないため競技人口が少ない、といったさまざまな課題があるといいます。これらの厳しい現状を、身を持って知る沼倉さんは、デフバドミントンの魅力を伝えるために、小中学校での講演会、市職員対象の研修、教室の開催、クラブの立ち上げなど普及活動をしているとお話しくださいました。
2年後、東京デフリンピックの表彰台でメダルを首に提げている沼倉さんの姿を拝見できるのを楽しみにしています。沼倉さんのご活躍を心より応援しております。
ご講演くださった沼倉さん、本当にありがとうございました!
講師の沼倉氏は日本手話言語でご講演いただいております。
動画には日本語字幕を付与しておりますので、ぜひご視聴ください。(20分27秒)
【お申し込み方法】
視聴をご希望される方は、ろう者学教育コンテンツ開発ウェブサイトの「お申込み&お問い合わせ」のページにて、下記破線内1〜5についてご記載のうえお申し込みいただきますようお願いいたします。
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1. 教育機関等の名称・部局:
2. 氏名:
3. 視聴期間:〇月✕日〜〇月✕日(2023年7月から2024年3月までの間、日曜日開始・土曜日終了の1週間を上限とする)
※視聴希望日の約1週間前までにお申し込みください。
4. 利用目的:(例:授業、研修、視聴会など)
5. 対象者数:〇名
※本コンテンツは学生、教職員、支援・教育関係者の皆様にご視聴いただけます。
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【問い合わせ先】
ろう者学教育コンテンツ開発ウェブサイトの「お申込み&お問い合わせ」のページにてお問合せください。
※担当者の勤務体制により、映像コンテンツ視聴のお申し込みやお問い合わせの対応にお時間をいただく場合がございます。
あらかじめご了承ください。