お知らせ
2024年度ろう者学トーク限定配信(第6回)のご案内 堀米泰晴氏「わたしの障害認識」
ろう難聴者の様々な生き方を模索していく学問でもある『ろう者学』。
本学では、ろう者学教育コンテンツの開発及びろう者学を学ぶカリキュラムの作成や提供に取組み、2013年度から取組みの一環として「ろう者学ランチトーク」を開催してきました。
2019年度までは本学天久保キャンパスを会場として対面で開催しておりましたが、2020年度からは新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に伴い、「ろう者学ランチトーク」の開催形態を変更し、「ろう者学トーク」として撮影・編集した映像コンテンツをご提供しております。
「ろう者学ランチトーク」と同様に、本学や他大学等を卒業した後にキャリアを積んでいるきこえない方々を講師として、これまでのご経験や現在の活動を通して、ろう難聴者のキャリア形成に必要と考える知識についてご講演いただいております。
本コンテンツはお申し込みいただきました皆様への限定公開となっておりますが、全国の高等教育機関等で学ぶきこえない・きこえにくい学生、きこえる学生、支援などに関わる学生、教職員の皆さまをはじめ、ろう者学やろう難聴者に関心をお持ちの方々にも視聴いただけます。視聴のお申し込み方法につきましては、下記をご参照ください。
2024年度第6回ろう者学トークの講師は、筑波技術短期大学(現:筑波技術大学)の卒業生で、群馬県聴覚障害者コミュニケーションプラザに勤める傍ら、全日本ろうあ連盟の理事としても活動されている堀米泰晴氏です。「わたしの障害認識」というテーマでご講演いただきました。
最初に講師 堀米泰晴氏のプロフィールをご紹介いたします。
障害認識とは、きこえない・きこえにくい人が必ず向き合うべきものであり、自分の「きこえない」や「きこえにくい」をどう受け入れるかによって、その人の今後の人生が大きく変わると言っても過言ではないでしょう。堀米さんに、障害認識のテーマでご自身の経験や子ども時代に悩んできたことについてお話しいただきました。
堀米さんは、3歳のときに高熱によって失聴し、新潟県立長岡聾学校に通いました。小学生の頃、きこえない自分と地域のきこえる友達との違いに気づくようになり疎遠になっていった一方で、ろう学校ではきこえない友達といることに安心感を覚えたと言います。中学部に上がると、きこえる人たちの目を気にするようになり、きこえない自分や手話を使うことが恥ずかしいと感じたため、通学の際にはきこえない友達とは別々の行動をとっていたと話します。こうして、障害受容の葛藤に揺れていたろう学校時代を経て、卒業後は筑波技術短期大学(当時)の5期生として電子工学専攻に入学します。全国から集まる学生たちから影響を受け、特にデフファミリー出身の学生は、自分と同じ年代なのに行動力があり経験も豊かで、そのバイタリティに圧倒されたと語ります。情報保障が充実した環境で学び、アメリカ研修旅行の体験を通して、堀米さんはこの頃から自分の障害に対して肯定的になり、きこえない自分に自信を持つようになります。
本学を卒業した後、三洋電機株式会社に入社し、半導体技術開発に携わります。その職場にはきこえない人がいなかったため、自分のきこえ方や職場に求めたいことを説明しました。業務に限らず、会議や社内放送などでも筆談で対応していただき、恵まれた職場だったと言います。また、会社の寮にいるきこえない先輩たちとの出会いをきっかけに、きこえない仲間たちに恵まれ、手話講座や手話サークルとの協働によるイベント開催、行政や議会への要望活動など、現在の公私ともに行っている活動につながることになります。
最後に堀米さんは、自分の障害を正しく認識し、きこえないことを補う方法を考え実践する力と、周囲に支援を求める力を身につけること、さらに一緒に活動できる仲間を作ることで、どんな困難でも乗り越えていく自信がつくとお話しされました。ご講演くださった堀米さん、本当にありがとうございました!
講師の堀米氏は日本手話言語でご講演いただいております。
動画には日本語字幕を付与しておりますので、ぜひご視聴ください。(47分23秒)
【お申し込み方法】
視聴をご希望される方は、ろう者学教育コンテンツ開発ウェブサイトの「お申込み&お問い合わせ」のページにて、下記破線内1〜5についてご記載のうえお申し込みいただきますようお願いいたします。
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1. 教育機関等の名称・部局:
2. 氏名:
3. 視聴期間:〇月✕日〜〇月✕日(2024年12月から2025年3月までの間、日曜日開始・土曜日終了の1週間を上限とする)
※視聴希望日の約1週間前までにお申し込みください。
4. 利用目的:(例:授業、研修、視聴会など)
5. 対象者数:〇名
※本コンテンツは学生、教職員、支援・教育関係者の皆様にご視聴いただけます。
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【問い合わせ先】
ろう者学教育コンテンツ開発ウェブサイトの「お申込み&お問い合わせ」のページにてお問合せください。
※担当者の勤務体制により、映像コンテンツ視聴のお申し込みやお問い合わせの対応にお時間をいただく場合がございます。
あらかじめご了承ください。