京都手話Ⅱ:1957(昭和32)年度版
単語読み原書説明文(翻訳)
61相手あいてイ.右拇指。子指を伸ばして向うにおき、左示指でさし示す。
ロ.相対している人を拇(男)子(女)で表わし、これを相手とし手前の示指を自分としている。
62明るいあかるい形容詞
イ.眉間のところで合わせた拇指と示指をパッと開く。
ロ.愁眉を開くという事から気持ちが明るくなること。
ハ.明朗
63悪口わるぐちイ.左袖下で右示指先をピンピンと前后にはねる。
ロ.袖下にかくれてこそこそと話しをする意。右示指は口から言葉が出ることを表わす。
ハ.カゲ口
64あげるあげる動詞
イ.掌上にものを捧げるようにして右掌を指出す(意、感情をこめること。)
ロ.差し出すことから
ハ.進呈する。差し上げる。
65遊ぶあそぶイ.左右の手首を交叉し、両手指をひらひらと動かせる。
ロ.手が遊んでいる事を表す。
ハ.左右示指のみを両耳辺りで前後に三回程振れば散歩、又河ブラ、銀ブラ。
66温い(湯)あたたかい(ゆ)形容詞
イ.左手を上向け、その上で指先をやや開いて垂れた掌をゆげの上がる様にあげる。
ロ.熱い湯を表す手まねから来たもの、熱さを示す時は、手を湯につけてびっくりしてとび上がるみぶりをするか、この場合はこれをややゆるく表す動作。
77新しいあたらしい形容詞
イ.両にぎりこぶしをじゃんけんのパーを出すように掌を上に向けて開く。
ロ.パッと掌を開く動作は動きを示す。みるからにいきいきした新鮮さを感じさせる。
78暑(あつ)いあつい形容詞
イ.両手で頭から頸へ汗がしたたる様に二三度上下させる。
ロ.汗がたらたらでる動作から
79あべこべあべこべイ.右握こぶしを右頸部、左握こぶしを後頭部にあて頸側をめぐって反対の位置に置きかえる。
ロ.正常な位置が逆転した事から。
710云ういうイ.右示指で口もとから言葉がとび出る様に前后に動かす。
ロ.口で話すの意から
711いえイ.両指先を揃え突き合わせて屋根をかたちづくる。
ロ.家の形を表現。
712いけないいけないイ.右手を拒否するように左右にふる。
813何時もいつもイ.両手共拇指示指を伸し手前で掌を内に左右の示指先を上下にする。
ロ.両手で腹部辺りで太陽を形造り、これを(くるると廻す様)上下させて日出、日没が重って常にの意となる。
814田舎いなか名詞
イ.右手をうつ向け左示指で右掌の中央辺りにあて、くわの形をし、これを遣う動作にする。
ロ.畑でくわを使う動作から農業―田舎と転化。
815居るいるイ.両握りこぶしを拇指を上にして下へおろす。
ロ.坐る様な仕草がその場に留まるとする意になる。
816うえイ.左掌をうつ向けての上に仰向けた右掌を上方に上げる。
ロ.左手を水平点とし、それより上との意
817生れるうまれる動詞
イ.両手で子供が腹から生れでるようにパッとはじき出す。
ロ.出産、子供が母の体内から滑りでるさま
818うらやましいうらやましいイ.右示指をくわえる。
919運命うんめい名詞
イ.右手を左掌の上でゼイチクを廻す様にする。
ロ.人の運を占う易者がもっともらしい表情でゼイチクをかきまぜる指の扱い方から
920えんイ.右示指及拇指によりコ字型を作り、掌を右側にして左から右へ力強く動かす。
ハ.円という字形からの変化との見解あり
921追うおう動詞
イ.左示指又は拇指(男)又は子指(女)を伸ばしてその後に右示指で追う様に動かす
922同じおなじイ.右手の親指と示指を軽く二、三度つき合せる。
ロ.拇指及び示指が夫々異なったものであるが合致することにより同じものになったという事からか。
923お化けおばけイ.両手を顔面辺りでたれ前へぶら下げる。
ロ.日本の昔からのゆうれいが胸先に両手を力なくたれでて来たと多く絵などにある事から
924面白いおもしろいイ.右手で握りこぶしを作り、右下腹部を大きく三四度叩く。
ロ.面白い時とか、可笑しい時に腹をかかえて笑うことから。
1025会社かいしゃイ.こめかみ側面辺りで両手共示指中指を伸し、交互に前後に動かす。
ロ.株式上場の際、頭上で指をふり株式取引する様から
株式―会社と【変?】
1026過去かこイ.右手を軽く揃え掌を後に向け右肩越しに指先をとに二、三度倒す。
ロ.時を後へおしやる意味
1027風邪かぜイ.右にぎりこぶしを口もとにあてせきをしたあと、のどを指でつまんで引っぱる。
ロ.風邪をひいた様子
1028固いかたい形容詞
イ.右示指、拇指をコ型を作り、これを力をこめて振り下げきっぱり止める。
ロ.表情をもって固いを表す。
1029かみイ.かしわ手を打つ仕草をする。
ロ.神様を拝む様から。
1030かわイ.右示指、中指薬指を伸し、それで川の字を書く。
ロ.川の字を書いて表出する。
1131変るかわるイ.両掌を内側に八型の位置から交叉する。
ロ.置き変った位置から表意している。
1132考え 思う、意見、考えるかんがえ、おもう、いけん、かんがえるイ.示指をこめかみに当て、ものを思うしぐさ、深刻な表情で指先に力を込めれば「考える」
ロ.示指で頭を指し、頭の働きを示す。又示指は思考を支える(補足)意味。
1133決めるきめるイ.左掌を上にし、右にぎりこぶしの甲側を叩きつける。
ロ.仕草が治まったの意から定まったの意を表現
1134気持きもちイ.示指で腹部を指す。
ロ.心が胸または腹にあるとする事から。
1135キャンプきゃんぷイ.右示指で歯を示したのち、両掌で屋根型を作り山の裾をえがく仕草
ロ.テントをはる動作
ハ.この身ぶりに加えて旅行(両示指を上下に振る)の手話をすれば一そうハッキリする。
1136京都きょうと両手共、示指と拇指を伸ばし指先を下に二三度地面を指す。
1237嫌い 厭きらい いやイ.右手の示指と親指で咽喉をつまんで前方へ放つ【~?】顔を【~?】むけて嫌悪の【~?】
ロ.好きの反対のみぶり
1238着るきるイ.両肩で軽くにぎりこぶしを作り、それを下げながら左手を前にして交叉し、襟を合わせて衣服を着る仕草
ロ.着衣の意
1239休日きゅうじつイ.左掌内を右にぎりこぶしで打つ(決めると少し異なる)
ロ.戸が閉まることで休みを連想する。
1240給料きゅうりょうイ.右拇指と示指で輪を作り、金を表わし、それを前方から内側に入れる動作。
ロ.金をもらったの意から。
1241苦しみくるしみイ.両手で胸をかきむしる仕草
ロ.胸がかきむしられることから、苦しみに転化
1242加えるくわえるイ.左掌に右差示指の側面をうちつける。
ロ.仕草より
1343結婚けっこんイ.右子指(女)と左拇指(男)とくっつける
ロ.男(拇指)女(子指)が左右から相よって一つになる
1344けれどもけれどもイ.右掌を下から上へひるがえす
ロ.ひるがえすという動作から文意の【~?】意を表す。
1345けんかけんかイ.右掌と左掌とをぶつけあって争う動作二度、三度
ロ.相争う様から
1346現在 今げんざい いまイ.両手を軽くそろえ、自然に前にそろえ上から下へ押しつける動作
1347見物けんぶつイ.右手示指と親指とで輪をつくり、右眼前で円くまわす
ロ.眼をさらのようにしてあたりを見まわすみぶりから。
1348交際こうさいイ.左右の掌を上向けて相対してそれを左右に変換する。
ロ.右から左へ、左から右へ交流さす意から或は贈り合いをくりかえす意から。
1449幸福 幸せこうふく しあわせイ.右手指を伸し拇指と示指の間であごを挟み、二、三度下へさすりおろす。
ロ.恵比須のにこやかな顔形下あごのひげを示すもの。
1450子供こどもイ.両手を肩のところでひろげ左右にふきざみにふり動かす動作。
ロ.子供がむずかってだたをこねる様子。赤ん坊が手を振って泣く仕草
1451困るこまるイ.右手で頭をかく
ロ.頭をかく動作から。
1452どう?ころ?イ.右示指を探る様に身体の前方で振る仕草。
ロ.どこか探る仕草から。
1453怖いこわいイ.右の指先を曲げ軽く胸を押さえ恐怖の表情を持ち、
ロ.胸を押える。少しまげた指先は苦悩の表現(心配)をさらに強く表出したもの。
1454裁判さいばんイ.左右握りこぶしより拇指を伸し、両側乳部上部から下腹部へ、平行して力強く下ろす。
ロ.裁判官服の模倣か?左右を裁くこと。
1555寒いさむいイ.左右のにぎりこぶしを身体の前にふるわす。
ロ.寒さにふるえるみぶりから、ガクガクと両手をこぶしにして(ちぢかんで)ふるえる表現
1556仕事、作業、面倒しごと さぎょう めんどうイ.両にぎりこぶしを作り左手を右にぎりこぶしで二、三度たたく。
ロ.作るの手話から転化したものと考えられる。
1557したしたイ.両掌を下向け指先をやや上向きから下へぐっと下ろす。
ロ.終った終了の意を表す。
1558従うしたがうイ.右拇指のななめ後に右示指をそえてそのまま前へ進める。
ロ.拇指(人)の少し後について、もう一本の示指(人)が動く。
1559失礼しつれいイ.両掌示指を胸先で相対して立て、同時に曲げながら下していって両手を外側にはねかえ【~?】
ロ.はねかえしたとの意から自分の非を認める転意
1560シャツしゃつイ.シャツをぬぐみぶり。
1661手話しゅわイ.両手を身体の前で糸を操る様に廻す。
ロ.手話の仕草の表意。動く手振りの表出
1662しょうイ.甲を内側に左示指を立て、それをと中指で抱きかかえるように前方につき出す。小の字
ロ.小という字の表意による。
1663心配しんぱいイ.右手をひろげて指先を曲げ、それを胸に当て、心配そうな表情をする。
ロ.心配のあまり胸がいたむ意。
1664新聞【聞は略字】 しんぶんイ.ひじを曲げて右手を立て、その下に左手をおいて右ににぎりこぶしをパッと開く。
ロ.新聞を配達するしぐさから変化して来たもの
1665好きすきイ.右手の親指と示指で咽喉をつまむ。
ロ.咽喉はよく欲望の表現に使われ…。きらいの項参照
1666過ぎるすぎるイ.左手を体の前方斜めに差しだし、右手でその上をよこぎらせる。
ロ.一線から出るとの意から。
1767ずるいずるい形容詞
イ.左手甲で右頬を二、三度なでる。
ロ.頸の皮をなでて、皮の厚さを見て鉄面皮とする意に転意
1768生活 活動、暮しせいかつ かつどう くらしイ.両手共握りこぶしを作り、肱を曲げて交互に上下に動かす。
ロ.エネルギーの躍動を表したもの。
1769世話せわイ.左にぎりこぶしを外側から右掌で二、三度かるくこちらに押す
ロ.人の後押しをする表現から
後援―お世話と転意
1770せんイ.右手の子指だけを伸しちくわの型を作って、指文字「ち」をつくる。
ロ.指文字「チ」が千の字に類似していることからか。
1771先生せんせいイ.右手示指を口の辺りから斜め右下にむけて二三度ふる。
ロ.お話が口から出ること又この事が教える言葉となり、先生と転化した。
1772相談そうだんイ.両にぎりこぶしから拇指を伸し、拇指を相対し、にぎりこぶしをつき合せる。
ロ.双方の拇指を人とし、頬をつき合して、相談している様の表意。
1873育てるそだてるイ.左手にぎりこぶしの子指、拇指を伸ばし右掌でその上をなでるようにする。それをだんだん上げる。
ロ.女の子(小指)男の子(拇指)をなでて可愛がる様から。
1874イ.両手共、示指、中指、薬指を伸ばし、掌の内側でタテヨコに交叉する。
ロ.田の字型を表している。
1875大丈夫だいじょうぶイ.かるく揃えた右手先で左胸から右胸へと叩くように押える。
ロ.胸の広さを表出する仕草から。
1876互いにたがいにイ.両手(右手を前方)を胸の前で交互に組み、拇指と示指を合せたりはなしたりする。
ロ.相互に交互することから、こちらもあちらもの意。
1877だから、それから 連絡 関係だから それから れんらく かんけいイ.右手示指と親指で輪を作り、左手示指と拇指で作った輪とつないで鎖の形にする。
ロ.鎖、即ち接続を表す。
ハ.「イ」の形のまま手前から向うへ円を描いて引き廻すと「連合」
1878だけだけイ.左掌内を右示指で叩き、はじかれたようにはなす。
ロ.左掌の上にのっているものが、すこしの表出からだけと転意。
1979たのしい(うれしい)たのしい(うれしい)形容詞
イ.左掌で胸を同時になで下ろす動作をくり返す動作
ロ.胸をなで、楽しさ、うれしさを表意
1980足袋たびイ.左手を軽くにぎって外側にそらし、その手首のところで右手でコハゼをはめる仕草
ロ.足袋のコハゼを止める仕草から
1981黙るだまるイ.右手で口を押える
ロ.口を押えることから―黙るとなる。
1982近いちかい形容詞
イ.右掌を向に、左掌を手前にして、掌を向い合せ徐々に引き寄せる。
ロ.近づく仕草から、近いを表意
1983ちがうちがうイ.右拇指と示指を広げて指先をうえ向け指先の距離を保ったまま左右にふる。
ロ.「同じ」が拇指と示指を突合すのと比べて示指と拇指のきょりが否定を表わす。
1984つきイ.右示指と拇指とつまむ様に合せ、上から三日月を空間にえがきつつ下へおろす
ロ.三日月を表出し、月と転化
2085つづけるつづけるイ.右手示指と親指で輪を作り、左手示指と拇指で作った輪とつないで鎖の形にして左から右へ移行さす。
ロ.鎖、即ち接続を表わす
ハ.「イ」の形のまま手前から向うへ円を描いて引き廻すと「連合」
2086つまらないつまらないイ.右示指、拇指で鼻さきをつまむ仕草をしてからそれを前方へはじき出す。
ロ.鼻先ではねのける動作を強くし、鼻であしろう。鼻もちならぬなどという意、
2087でたらめでたらめイ.右手の甲を外にし、口もとで親指と中指とをはなしたりつけたりする。
ロ.口からベラベラと話が出て来る意。
2088当番とうばんイ.左腕に腕章の形を右手の親指、示指を伸ばしてえがく。
ロ.腕章の表意から当番の意を表わす。
2089動物どうぶつイ.示指と拇指を両手共伸ばして甲を向側に、顔の前で交互に円をかくように顔をなで下ろす。
ロ.顔が各々変っているとの意から。
2090特別とくべつイ.右手示指と親指を伸ばし、コの字型にして左手首に山形の袖章をえがく。
ロ.袖章のついている人が特別な地位の人との意
2191なかイ.左差指と拇指で扁平な輪を作り、それを二等分するように伸ばした右示指を中央におく。
ロ.象形文字
2192なかなかなかなかイ.左掌をひらひらと「きゅうくつ」そうに自分の頭の側面から上へあげる。
ロ.身振り表情から。
2193何故 理由なぜ りゆうイ.左手をかるく握り右手示指をくぐらせて前方へ差し出す
ロ.左手こぶしを疑問の対象と見、その彼方にあるものを示指によってさぐり確めるという意味
2194なべイ.両手で鍋のつまみ耳を持つことから。又熱いつまみを持ってすぐ耳へ手をやることから。
ロ.両手で両耳をつまむ動作
2195なるほどなるほどイ.左掌の拇指を下くちびるに当て開いた掌を左右にひらひらとさせる。
ロ.表情と、「なるほど」と云う言葉の発生を表示する。 
2196西にしイ.右示指と拇指を伸ばし、示指を右側甲を外側にして右へ大きく倒す。
ロ.太陽の沈むさまの表象から方向、西を表わす。
2297ねむれぬねむれぬイ.右手示指と親指を眼のあたりでバチバチとじたり開いたりする。
ロ.眼が消えてバチバリしている様子。
2298初めてはじめてイ.右示指側面で左手首をたたく
ロ.一本指の強調を左手首を叩くことで示し、一がはじめの意を表わす。
2299はっきりはっきりイ.両掌を内に向けて前に揃え、つぎに右手を額に近よせ、左手を反対の方向に押しやる。
ロ.ぐっとうき上がるさまの表出から。
22100ははイ.右手で自分の頬に触れてつついて小指を出す。
ロ.頬をつねり肉親を表わし小指を女として表わす。
22101場所ばしょイ.右手の指を少し曲げて下へ下げる。
ロ.位置の表示動作
22102発表はっぴょうイ.左掌を前方に向け、右示指で左手中央を示しそのまま高くかかげる
ロ.表示の動作
23103話す 話しあいはなす はなしあいイ.右手の甲側を口にあてバッと前方へ押し出す様に拡げる。
ロ.口からほとばしり出る詩の表意
23104人々 民家 民主ひとびと みんか みんしゅイ.両手拇指と小指を向き合わせてから小きざみに間隔を用いてゆく。
ロ.拇指=男。小指=女。男女多数を表わす。
23105はやしイ.両手を軽く押し合掌の型で交互に上下して木々の立ち並ぶ様にする。
ロ.木々の立ち並ぶ様の表示
23106反対はんたいイ.両手の甲を左右から背中合せに合せる。
ロ.背中同志合せる。
23107一と月ひとつきイ.右ほほのところで軽くにぎりこぶしを作り示指をパッとさし出す。
ロ.表出動作から。
23108ひゃくイ.右手小指、くすり指を伸ばし他の指で輪をつくって指先を外に向ける。
ロ.指文字「チ」が千でありタチツを百としたのだろうか。
24109ひょうきんものひょうきんものイ.両手指とも軽くのばして、示指と拇指を合せ、右わき下で右手を上、左手を下でふる。
24110不思議 おかしいふしぎ おかしいイ.右手示指であごを押え、小首を傾げる。
ロ.考え込んだ時自然と小指をあごを支えた身振りから来たもの
ハ.手詰「無理」は示指であごを強く押し上げるような動作。
24111普通人ふつうにんイ.両手共示指、拇指以外の指を曲げ左手を口の前に、右手を右耳のあたりで数回うごかす。
ロ.聞え、話せるという意の表出から。
ハ.人の空間に書く。
24112フランスふらんすイ.右示指と拇指を伸ばし額中央に拇指を当てて示指を上から左廻しで下ろす。
ロ.前髪のたれている様がナポレオンの前髪―フランスと転化する。
24113古いふるいイ.右示指を伸ばし、それで右鼻側をこする様にする。
ロ.鼻側のあかを落す仕草から、汚い―古いと転化。
24114不足ふそくイ.右拇指を伸ばし掌側を向うに向けてあごをつき上げるように押す。
ロ.「あご」がひあがるの意から。不足―たらない―ないと転化する。
25115下手へたイ.右掌で前に差し出した左腕の手首あたりからひじ関節に向けてはね上げるようになでる。
ロ.上手は上から手首(下)へなめらかな動きを表出するに反し、うろこのさかなでのようなぎこちなさが下手を表わす。
25116返事へんじイ.両手共示指、拇指を伴ばして指先をつき合せて△を作り、それを立てて前方へつき出す。
ロ.自分の方から相手へと云うことで、又反対に相手から自分へと表出し返事を表わす。
25117方法ほうほうイ.右掌で左手甲を軽く叩く。
ロ.手を叩くことにより手を指示し、手―から手段、技術、と転化する。
25118訪問ほうもんイ.両手の指先をつき合せ山形(屋根)を一端作り、その下方を右示指を手前からぐっと押し出す。
ロ.表出される仕草から模倣造形的表出。
25119他にほかにイ.左掌内側をこちらに向けて横におき、右掌はその外側に甲側を背中合せにしてからそれを前方にはなす。
ロ.はなれる表出から外のものとの意。
25120まごまごまごまごイ.下腹部で両掌を上向け互いに指先を相対し、それをうろうろする表情で右へ又左へとゆり動かす。
ロ.【?】の動きが心の動揺を表出
26121またイ.右示指と中指を伸し掌を下の位置からひるがえし中指腹で左示指を叩く
ロ.ひるがえる様二本の指から二度―又と転化
26122まだまだイ.左掌を横に立てて、前方にさし出してその直角方向に左掌手前で右掌を掌を内側にして上下運動をさせる。
ロ.到着しないと表意から。
26123まねまねイ.右手で架空のものを軽くつまみあげそのまま額にもってゆく。
ロ.そのままつかんで来て自分の頭の中へ入れるさまから模倣を表わす。
26124守るまもるイ.両手をかるく胸の前方におき、右手をかばうようにおおってぐっとにぎる。
ロ.胸にぐっとにぎってよせるから胸にしまい込む意。
26125未来みらいイ.右掌を立てて前方につき出す。
ロ.仕草から時間の推移を表出
26126ミシンみしんイ.左掌を下向け左示指と中指の間で右示指指先を前右に動かす。
ロ.ミシンの針の運行の仕草から。
ハ.この絵では両掌を下に向けそろえて前方へおし出す。この他ハンドルを廻す方法もある。
27127見習いみならいイ.右掌指先を少し曲げ右眼前で前右にその手を動かす。
ロ.前からいろいろと目の中につかみ込む仕草から。
27128見る みる動詞
イ.右目元から右示指を前方に出す
ロ.目の動きの指示から。
27129みんなみんなイ.右手で前方空間を大きくなでまわす
ロ.人々を一括する仕草から
27130迷惑めいわくイ.右示指と拇指で眉間をつまむ。
ロ.眉間にしわがよること。顔をしかめることから。
27131珍しいめずらしいイ.右眼を右指全部でつまむ様にしてそのまま右手を前につき出す。
ロ.目がとび出るという仕草から。
27132面倒めんどうイ.右ににぎりこぶしの小指側面で右こめかみを二、三度叩く。
ロ.困った意の表出
28133毛布もうふイ.左掌の上を右手指先で円くかきまわし、その後、両手で喉元から口もと当りへ毛布をかぶってねる様をする。
ロ.初めの仕草は毛布の毛を表わし後の仕草でふとんを表わす。
28134もしもしイ.右手の親指と示指で右頬をつまむ動作、二、三度
ロ.つまめそうでつまめない(出来そうで出来ない(仮定)の意)
28135持つもつイ.上向けた掌の上に何かを掴み上げるふうに右手をかざし、それを水平に移行する。
ロ.身振り表現
28136ものものイ.右示指と拇指で輪を作り他の指は軽く曲げて左から右へヒラヒラ移行する。
ロ.円い輪で一つの形を表出。ヒラヒラと動かすことで複数を示し、抽象名詞「物」が成り立っている。
28137もらうもらう動詞
イ.両手を重ねてお頂戴をし、わずか頭下げる。
ロ.身振り表出
28138安いやすいイ.右示指と拇指で輪を作り、他の指は軽く曲げて上から下へ動かす。
ロ.輪はお金を表意し、上から下への運動は安く下から上へ上がる時は高くなる。
29139やま名詞
イ.右手で空間に山をえがく。
ロ.身振り表出。
29140やめるやめるイ.左掌を上に向け差し出してその上に右手をそろえて断ち切るようにふりおろす。
ロ.断ち切る動作
29141やりきれないやりきれないイ.両手を握り腕首を交叉してその点で【?】よくそくばくから脱け出すことの出来ない身振り
ロ.しばられていると云う意味から身振り表現
29142郵便ゆうびん名詞
イ.右示指と中指を伸ばした掌を上に差出し、中指側面に左示指をつける。
ロ.〒の字をかたどり郵便を表わす。
29143ようすようすイ.両手を前方空間に対し上下におき、交互にさするさま。
ロ.案探る様な感じを表現しえ、身振りから表出する。
29144よかったよかった感嘆詞
イ.右掌で額の汗をふく仕草をする。
ロ.額の汗をふく仕草によりホッとする仕草から。
30145よるイ.右掌を頬前で左右に動かす。
ロ.眼前で光の幽閉の表出から闇―夜となる。
30146らしいらしいイ.右示指及中指を伸し静かにふるように動かす。
ロ.二本の指を動かすことからその実在把握の困難により想像するとの意。
30147歴史れきしイ.左肩から手首まで、右掌でこきざみに上下にふりながら動かす。
ロ.ヨロイのマトイの模倣であり、これから昔―武士―歴史となる。
30148ろう者ろうしゃイ.右掌で右耳を閉じ左掌で口をおさえる。
ロ.身振り表出
30149判りませんわかりませんイ.指先を自然に曲げ胸上辺で何かを払いおとす仕草をくり返す。(マンドリンをかきならすように)
ロ.聞いた事が胸の上を素通りしてゆく。消化できてない事。
30150別れるわかれるイ.両掌の甲側を寄せ合い外方にはなす。
ロ.身振り表出