本学開講科目「デフコミュニティと社会参加」

(3) 文化

(3) 文化

1 対象

筑波技術大学に在籍する聴覚障害のある学生

2 指導の形態

通常教室 90分授業

3 指導の目的

1)文化の構成要素を、日本人社会の具体例とともに学ぶ。

2)外国映画作品予告編動画を材料に、文化構成要素の視点で分析する方法を学ぶ。

3)文化の定義を知る。

4)文化が人間特有の現象であるかを確認する。

5)自文化中心主義と文化相対主義の概念を理解する。

6)ろう者文化が存在するかどうかを考える。

4 指導にあたって

・開始時にワークシートを配布、終了時にスライド資料を配布する。

・ワークシートを使ってグループ活動ができるようレイアウトを考える。必要に応じてブギーボードを利用させる。

・インターネットにある動画を用いる。

・ろう者学教育コンテンツの動画も用いる。山形全国ろうあ者大会アトラクション。

5 本時の展開


学習活動 指導・支援内容
(留意事項及び配慮事項)
評価の観点

本授業の流れを説明。ワークシートを配布する。 コミュニケーション方法を調整できているか【観察・発問】
文化の構成要素を学ぶ(10分) スライド(S2)を使って、文化の構成要素を説明するとともに、日本人社会での具体例を学生に考えさせ、発言してもらう。スライドに出す具体例をワークシートの表に書かせる。
学んだ構成要素で異国の映画作品を分析する(30分) 動画「ラオス竜の奇跡」予告編(2分16秒)を視聴する。1回目は気ままに見て、2回目は文化の構成要素を意識して見る。S3
http://saynamlai.movie/
見た後、ワークシートに記入し(10分)、グループ毎にディスカッションをして整理する(10分)。
その後、各グループから出してもらったものをホワイトボード上で整理する。(10分)
各グループで全員が討議に加われているかどうか【観察】内容が乏しい時は材料を提供する。
文化の定義例を学ぶ(10分) スライド(S4)を出して説明する。ワークシートに書かせる。

文化が人間特有の現象であるかを考えさせる(10分) スライド(S5)及び動画を用いて、ニホンザルは真似て行動様式を発達させられるが、言語を持たないことで、ヒトの文化から量的に大きく遅れを取ってしまっている考え方を紹介する。言語コミュニケーションが重要なポイント。動画は
https://www.youtube.com/
watch?v=uZ8HCdgEwCs

(1分1秒)など。
学生が想像力を働かせられているかどうかを確認する【発言】
自文化中心主義と文化相対主義の対立概念を学ぶ(10分) スライド(S6)を用いて、自文化中心主義と文化相対主義の対立概念を説明する。
自文化中心主義:自分の文化が良いとする考え方
文化相対主義:どちらの文化が良いということはないという考え方(偏見を持たない)
ワークシートに書かせる。
教員の説明を理解できているかどうか【観察】


ろう者文化の存在について考える(10分) ろう者学教育コンテンツの「山形全国ろうあ者大会のアトラクション動画(0:17-2:47)」を視聴する。
その後、文化の構成要素をもとに、ろう者特有の文化が存在するかどうかを発問形式で学生に考えさせる。
発問例:
  • 動画は文化構成要素のどれに当てはまる?
  • 他にどのような行動様式が見られるかな?
  • 信条・価値観が動画から読み取れるかな?
学生が本授業のポイントを理解できているか【発問】

参考文献

・亀井伸孝「手話の世界を訪ねよう」岩波ジュニア新書

さらに深く学ぶために

・木村晴美「日本手話とろう文化 ろう者はストレンジャー」生活書院

【資料のダウンロード・映像の視聴】