手話言語学習者対象

デフアスリートを支えるための手話通訳のあり方

「デフアスリートを支えるための手話通訳のあり方」学習指導略案

1. 対象

手話通訳者養成講座実践課程カリキュラム受講者および登録手話通訳者

 

2. 指導の形態

一斉授業形式(1時間)

 

3. 指導の目的

デフアスリートを支えるための手話通訳のあり方を考える


4. 準備物

モニター、PC(インターネットに接続)

 

5. 対象者人数

何人でも可

 

6. 本時の展開

過程

学習活動

指導・支援内容(留意事項及び配慮事項)

評価の観点

導入

15分

・デフアスリートの活躍を知る

 

 

 

 

 

 

 

・デフアスリートが活躍するための手話通訳者の存在を知る

 

 

 

 

 

・デフアスリートが活躍している競技や観戦経験(どのような大会や場面だったか、選手同士や指導者とのコミュニケーションの様子など)を受講者同士で発表しあう

(競技例:陸上、サッカー、バレーボール、卓球など)

(大会例:デフリンピック、全国ろうあ者体育大会、全国障害者スポーツ大会など)

 

・特に、きこえる人とともに参加する大会等(例:全国障害者スポーツ大会)の場面で、どのような情報保障が行われていたか、発表する

(見たことのある人が少なかった場合、全国障害者スポーツ大会の様子などを写真で見せるなどしてイメージが湧くようにする)

特になし

展開

40分

・スポーツに精通した手話通訳者の養成の現状を知る

 

 

・デフアスリートが活躍するスポーツ場面における手話通訳に必要な知識と技術を理解する

 

 

 

・デフアスリートが活躍するスポーツ場面における手話通訳に必要な「言語技能・表現力」を理解する

 

 

 

・その他、スポーツ手話通訳の専門性や課題について知る

 

・一般財団法人全日本ろうあ連盟 スポーツ委員会による「デフアスリートを支える」を紹介し、スポーツに精通した手話通訳者の養成に関する国の状況を説明する

 

・「デフアスリートを支えるvol.1」より「きこえない人のスポーツ活動を通した社会参加を支える手話言語通訳者が、通訳者としての倫理観を備えた上で準備しておくべき知識と技術」を紹介する

 

 

・そのうち、特に「言語技能・表現力」について、自転車競技における誤訳の例を取り上げて説明し、例を見て考えたことを発表するよう促す

(引用文献:「デフアスリートを支える 競技別手話言語通訳ガイド 自転車編」)

 

・スポーツ手話通訳の専門性や課題に関する論文として平他(2019)の紹介

(補足的に講師自身の経験談を話してもよい)

 

まとめ

5分

・デフアスリートを支える手話通訳のために必要な知識と技術を習得するためにできることを考え、発表する

 

・もし自分がスポーツ手話通訳を担当することになった場合に、どのような準備をして臨むべきか考えてレポートにまとめるよう促す

 

 

 

 7. 参考

・一般財団法人全日本ろうあ連盟スポーツ委員会 ウェブサイト

https://www.jfd.or.jp/sc/

(最終閲覧日:2024年10月20日)

・一般財団法人全日本ろうあ連盟スポーツ委員会(2021)「デフアスリートを支えるvol.1」

・一般財団法人全日本ろうあ連盟スポーツ委員会(2021)「デフアスリートを支える競技別手話言語通訳ガイド 自転車編」

・一般財団法人全日本ろうあ連盟スポーツ委員会(2021)「デフアスリートを支える競技別手話言語通訳ガイド サッカー編」

・一般社団法人日本ろうあ者卓球協会(2012)「2021年世界選手権&アジア大会における手話通訳について」一般社団法人日本ろうあ者卓球協会強化本部会議資料.6-8.

  ・平英司・岡田直樹・井手敬子・田村梢(2019)「スポーツ手話通訳を取り巻く現状と課題」2018年度日本手話通訳士協会研究紀要第16巻.63-90.

 

作成:萩原彩子(2025年)

編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当


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