聾学校(聴覚特別支援学校)等対象
デフリンピックを通して考えよう
自立活動「デフリンピックを通して考えよう」学習指導略案
1 対象
小学部,中学部,高等部(複数学年で合同実施も可)
2 指導の形態
通常教室もしくは特別教室や体育館にて一斉指導(ゲストが来るか否かで判断)
3 指導の目的
1)ロールモデルとしてのろう者と出会う(直接・間接)ことで、肯定的な自己像を形成する
2)デフリンピックについて知ることで、スポーツへの取り組みに対する向上心を育成する
3)デフリンピックの現状を理解し、課題や今後の展望・対策を考える(高等部向け)
4 指導にあたって
・可能な限り、ゲストティーチャーを招聘し、ロールモデルと交流・体験できる機会をつくる
・ゲストの時間に余裕があれば、休み時間や給食時間に来校いただくよう設定し、子どもたちと授業時間以外でも交流できる時間を少しでも多く設ける
・体育などの教科の時間を工夫すれば、体験活動を設けるなど、より効果的な指導が期待できる
5 本時の展開 ①ゲストティーチャーを招聘できなかった場合
過 程 |
学習活動 | 指導・支援内容 (留意事項及び配慮事項) |
評価の観点 |
---|---|---|---|
導 入 |
スポーツ大会について知っていることを発表する |
|
これまでの学習内容、経験を想起し、発表することができるか【観察・発表】 |
展 開 |
「デフリンピック」について知る | 『デフリンピックとは何か?』 ※映像視聴①「デフリンピックについて」 [0:00−2:28] ※約2分半
|
人物や作品に興味を持ち、集中して視聴しているか【観察】 |
「ロールモデル」について知る | ※映像視聴②「デフリンピアン森本選手」 [0:00−3:15] ※約3分半 ※映像視聴③「デフリンピアン泉選手」 [1:50−6:00] ※約4分半 |
自分自身を肯定的に捉えていることができているか【ワークシート】 |
|
ま と め |
「デフリンピックの現状を理解し、今後の課題・対策を考える」 |
|
積極的に発表しているか、適切な表現で発表することができているか【観察・発表】 |
感想や考えを書いてから発表する |
|
※高等部では「パラリンピックとの違い」の映像も視聴し、デフリンピックがおかれている国内での状況を把握し、現在の課題と今後の展望をまとめる等の発展的な学習につなげることができる。
5 本時の展開 ②ゲストティーチャーを招聘できた場合<可能な限り2時間>
過 程 |
学習活動 | 指導・支援内容 (留意事項及び配慮事項) |
評価の観点 |
---|---|---|---|
導 入 |
ろう者のスポーツ大会について知っていることを発表する |
|
これまでの学習内容、経験を想起し、発表することができるか【観察・発表】 |
「デフリンピック」について知る | 『デフリンピックと何か?』 ※映像視聴①「デフリンピックについて」 [0:00-2:28] ※約2分半
▼デフリンピック〇×クイズなど オリンピックやパラリンピックとの違いをクイズ形式で出題してはどうか ⇒各競技、各大会独自の工夫・特徴を理解することにつながる |
||
展 開 |
デフリンピック出場者の話を聞く |
|
礼儀正しく、ゲストティーチャーと接することができているか。適切な態度、言葉使い【意欲・態度、観察・発表】 |
体育や総合などの時間と抱き合わせて2時間続きにし、体験時間を十分に設けることも検討する【百聞は一見にしかず】 | |||
選手と共にスポーツ体験をする |
|
競技規則を理解し、友達と共に活動に参加できているか【運動の知識・理解、技能】 | |
ま と め |
感想や考えを書いてから発表する |
|
自分自身を肯定的に捉えていることができているか【ワークシート】 |
|
積極的に発表しているか、適切な表現で発表することができているか【観察・発表】 |
※参考資料として、デフリンピック啓発ウェブサイトにアップされている啓発パンフレットなどを人数分用意し、配布しておくことで、家庭でも話題にしやすくする。
※全日本ろうあ連盟による「聾学校等におけるデフリンピック啓発事業」を活用し、近隣のデフリンピアンを派遣してもらう方法の他、各聾学校においてもデフリンピック出場経験者がいる場合は、直接お願いするなどして、「本物に触れる」機会を極力設ける。
※より身近な存在の方が親近感がわき、具体的に目指す目標にもなり得る。ただし、ゲストからの講演の中には、現実的な体験談(自身の仕事との両立の他、遠征などに関わる費用、練習に費やす時間など)も話していただくことで、正確に現状を理解させる。
※本指導略案を参考に、児童生徒の実態やねらいに合わせ、改変してご使用いただきたい。
6 参考・引用文献
・全日本ろうあ連盟,http://www.jfd.or.jp/,デフリンピック啓発ウェブサイト,スポーツ委員会「デフリンピック,全国ろうあ者体育大会」
・ろう者学教育コンテンツ開発プロジェクト,https://www.deafstudies.jp/info/vidarc/,デフスタディーズウェブサイト,ろう者学教育コンテンツ映像アーカイブ,目で聴くテレビ「デフリンピアン 森本選手」「デフリンピアン 泉選手」
・デフリンピック啓発DVD(全日本ろうあ連盟制作)「デフリンピックについて」
※2010年に全日本ろうあ連盟より全国のろう学校に送付されています。
作成:宮町 悦信(2015年)
編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当
【資料のダウンロード・映像の視聴】
- 本学習指導略案(PDF)
- 資料① ワークシート①(PDF)
- 資料② ワークシート②(PDF)
- 資料③ パワーポイント:ろう者とスポーツ(PPTX)
- 映像(映像の視聴にはパスワードが必要になります)
聾学校(聴覚特別支援学校)等対象
- ろう者が写真を通して表現することについて
- ユニバーサルデザインを考えよう
- 乗富秀人氏が描くデフアートにみるろう者の手話文化
- デフパフォーマンス
- 自立活動「ユニバーサルデザインを考えよう」学習指導略案
- 自由に表現してみる
- みんなで楽しむためのユニバーサルデザインを考える
- 手話狂言を通して新たな芸術の形を知る
- 聞こえない自分だからこそできる表現とは
- 見やすい字幕を考えよう
- 島のろう者コミュニティについて学ぼう!(Ver.1)
- 島のろう者コミュニティについて学ぼう!(Ver.2)
- 聴覚障害者の被災について考えよう
- 電話リレーサービスについて
- いざという時のネット110, 119番
- 女子と男子、その他?
- みんなが手話で話した島
- 手話を使うコミュニティには誰がいる?
- 交流会の改善策を考えよう
- ろう者と教育について
- 日本で最初に聾教育を開始した人物は誰?
- デフフッドについて
- 自分に合った情報保障を知ろう
- 手話の地域別、年代別バリエーションについて知る
- “ご当地手話”を学んでみよう!
- 手話は世界共通だろうか? 韓国手話から考えてみる
- 世界の手話 数字
- ゲームを通して手話の音素を知る
- 手話って言語?
- 「手話」で案内しよう
- 歴史を学び,勤労観・職業観を育む
- 現代社会の基礎―選挙の仕組みと参政権―
- ろう高齢者黒崎時安氏の人生を通して当時の社会について考える
- 聴覚障害者が裁判に参加することになった場合は?!
- 聴覚障害者の働き方を考えてみよう
- 蛇の目寿司事件に学ぶ
- 耳が聞こえないと危険!?
- ろう者のスポーツ大会への完全参加を目指して
- デフリンピックを通して考えよう
- バレーボールから学ぶ障がい者スポーツ
- デフ空手道について学ぼう
- 音を光に デフ・アスリートの夢
- 耳が聞こえないが武器になる
- スポーツを通して合理的配慮を考える
- だれでも楽しめるスポーツにするには?
- スポーツサインを知ろう
- 補聴器とテクノロジー
- 音声認識アプリ活用講座
- ICTを活用して誰とでも会話
- 電話リレーサービスについて
- 機械があれば十分?
- 情報保障サービスを探そう
- ろうの先生の大学生活を知る