聾学校(聴覚特別支援学校)等対象

現代社会の基礎―選挙の仕組みと参政権―

自立活動「現代社会の基礎―選挙の仕組みと参政権―」学習指導略案

1 対象

高等部公民・現代社会

2 指導の形態

通常教室

3 指導の目的

・ろう者と参政権の関係について、これまでの経緯を把握し、理解を深める。

・ろう者としての権利を見つめ直し、今後の課題と方向性について考える。

4 指導にあたって

 社会に出る準備をしている高校生という年齢にとっては、選挙というのが次第に身近なものとなりつつある。さらに、2015年に行われた第18回統一地方選挙においては、東京都北区議選と兵庫県明石市議選において、聴覚障害者の立候補があり、二人とも当選を果たしている。今後の政策の伝え方や、議会への参加方法、様々な課題はあるにせよ、全国的にも二人の今後に関心が高まっているといえる。そのため、聾学校に通う生徒にとっては、ますます政治を身近に感じる良い機会になると考え、本単元を設定した。

5 本時の展開


学習活動 指導・支援内容
(留意事項及び配慮事項)
評価の観点

 
政治に参加している聴覚障害者について知っていることなどを発表する ・政治に参加している聴覚障害者について紹介する
・生徒側に既知情報があれば、引き出す
・これまでの聴覚障害者の議員当選や立候補者について紹介し、関心を高める
政治への関心、知識がどの程度あるか【観察・関心】

 
映像視聴
・立ち会い演説会に手話通訳がつくまでの流れを理解する
・ろう者が本当の意味で参政権を保障されるためには、まだ障害となりえている事柄があることを知る
・運動による成果が結びつき、社会を変えていくことができることを実感する
※映像視聴①
[01:00-05:30]※約4分半
・手話通訳者がつくまでの経緯を説明する
・参政権について説明、確認をする
 
※映像視聴②
[09:30-12:30]※約3分
・参政権が何であるかを確認する
 
※映像視聴③
[13:00-14:40]※約2分
・ネットでの選挙運動について説明し、これまでの成果と今後の課題について整理する
映像をしっかり視聴し、理解を深めようとしているか【観察】
 
 
ろう者にとっての本当の意味での参政権、社会を変えることの可能性について考察しようとしているか【知識理解・考察】


ノートへの記入
・現状と今後について整理し、自分の考えをまとめる
・特にネットでの選挙活動についてどう考えるかを記述する
・現在の課題や、今後の方向性について自分の意見をノートに書くよう指示する
・現状を理解した上で、自分自身の考えを持つように促す
自分自身の考えをしっかり書けているか【ノート】
グループ間で交流
自分の考えを書いたノートを交換し、それぞれの考えを読み合い、互いに評価する
・周りの人と交流し、意見を深める 周りの人の考えを聞いて、さらに自分の中で整理して深めようとしているか【理解・態度】

6 参考・引用文献

・ろう者学教育コンテンツ開発プロジェクト,https://www.deafstudies.jp/info/vidarc-ds/,ろう者学教育コンテンツ映像アーカイブ,西滝憲彦氏「ろう者と参政権」

作成:宮町 悦信(2015年)
編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当

【映像の視聴】

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