「ろう女性としての生き方を探る」〜ろう女性による座談会を通して〜(1/5)

現在、社会で活躍しているろう女性に集って頂き、今回は「ろう者」そして「女性」として、仕事や家庭、地域社会での活動など、それぞれが経験してきたことや想いなどについて語り合っていただきました。

■ろう女性による座談会参加者プロフィール

岩田 恵子

熊谷市障害者相談支援センター 非常勤専門援助員

東京都荒川区生まれ。現在、埼玉県熊谷市在住。東京教育大学附属聾学校(現・筑波大学附属聴覚特別支援学校)高等部卒業後、淑徳大学で社会福祉を学ぶ。埼玉県ろうあ者相談員として24年間勤務後、特別養護老人ホーム「ななふく苑」の施設長として2年間勤務。現在、熊谷市障害者相談支援センター 非常勤専門援助員(聴覚障害担当のピアカウンセラー)、熊谷市身体障害者相談員、熊谷市ろう者協会会長、熊谷市手話通訳派遣事業運営委員、埼玉県盲ろう者向け通訳・介助員としても活動中。

榧 陽子

明晴学園 校長

幼稚部・中学部・高等部はろう学校で学び、小学校のみインテグレーションを経験した。筑波大学第一学群自然学類で数学を専攻し、筑波大学大学院教育研究科でアメリカにおけるバイリンガル・バイカルチュラルろう教育について修士論文を執筆。日本でもバイリンガル・バイカルチュラルろう教育の必要性を感じ、1999年に仲間とともにフリースクール龍の子学園を開園した。その間に株式会社日本電気、東京都立葛飾ろう学校高等部教諭を経て、2008年から明晴学園教頭、2013年から同校長。2009年に『明晴商店街ものがたり』で第59回読売教育賞学校づくり部門最優秀賞を受賞。

唯藤 節子

一般財団法人全日本ろうあ連盟 女性部長

小学校4年に東京都立品川ろう学校へ転校。品川ろう学校中学部卒業。高校は一般高校。オペレーター、在宅勤務経験を持つ。家族は長男、次男、長女、孫2人。1997年よりNPO法人世田谷区聴覚障害者協会理事、2000年より東京都聴覚障害者連盟女性部長、2010年より広報部長、2014年より一般財団法人全日本ろうあ連盟女性部長を務める。手話講師、介護士、盲ろう登録通訳としても活動中。

中野 聡子

国立民族学博物館 プロジェクト研究員

小学校から高校まで一般学校で学ぶ。筑波大学大学院在学中に米国ギャローデット大学に1年間留学。その後、ろう者自らが手話言語をテーマに執筆した論文で日本初となる博士号を取得した。現在は、数少ないろう女性研究者として、後進のために高等教育機関に在籍する聴覚障害学生の修学環境の改善に取り組んでいる。

那須 善子

「NHKみんなの手話」 講師アシスタント

ろう者の両親から生まれ自身もろう者。小学部から高等部専攻科までろう学校で学ぶ。専攻科修了後、印刷会社にデザイナーとして勤める傍ら、ろう劇団を結成し9年間演劇活動に携わる。結婚を機に退団し、ろうの2児の母になり、ろう教育に関する講演に立つ機会が増える。全日本ろうあ連盟日本手話研究所(現・社会福祉法人全国手話研修センター日本手話研究所)が発行する手話ビデオ教材の製作に携わる。2006年に結成した「たま手ばこ」で、ろう学校中心に手話による読み聞かせ活動をする。現在、葛飾区聴力障害者協会理事、手話講習会手話講師。2015年度「NHKみんなの手話」講師アシスタントとして出演中。



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