筑波技術大学に在籍する聴覚障害のある学生
通常教室 90分授業
1)聴覚障害を欠格事由とする資格制限の変遷に関する知識を深める。
2)聴覚障害者が運転免許を取得する条件と手順を理解する。
3)絶対的欠格事由と相対的欠格事由の概念を理解し、自分の意見を作る。
4)差別法令改正運動を前後して資格取得に挑戦した先輩の存在を知る。
5)残された課題として、直接的制限と間接的制限の概念についても理解する。
・スライド資料とワークシートを配布する。
・DVD教材「壁を拓く、社会を開くIII」を用いる。
過 程 |
学習活動 | 指導・支援内容 (留意事項及び配慮事項) |
評価の観点 |
---|---|---|---|
導 入 |
本授業の流れを説明。ワークシートを配布する。 | コミュニケーション方法を調整できているか【観察・発問】 | |
聴覚障害のために取得ができない資格があるかどうかを確認する(5分) | スライドを用いて、学生に発問する。S2 | ||
運転免許が取得できるまでの経過を学ぶ(10分) | スライドを用いて説明する。絶対的欠格事由と相対的欠格事由の言葉を導入する。S3-9 | ||
展 開 |
絶対的欠格事由と相対的欠格事由の概念を理解する(15分) | 動画視聴[壁を拓く、社会を開くIII]20:36-23:57, 3分20秒。欠格条項の種類の説明文が出たら30秒ほど停止して、学生にワークシートへ写させる。
|
動画視聴に集中できているかどうか【観察】 |
差別法令改正後の運転免許に関する動向を学ぶ(10分) | スライドを用いて説明する。S10-16 最後(S16)に現在の聴力検査に関する説明の中で絶対的欠格事由と相対的欠格事由についてレビューする。 | ||
実際の経験者の話をきいて議論する(20分) | 動画視聴[壁を拓く、社会を開くIII]23:57-29:15, 5分20秒。
|
ワークシートに自分の言葉で書けているかどうか【観察】 | |
書いたワークシートを隣同士で見せあった後、教員が発問して何名かに意見を発言させる。 発問
|
グループ活動に積極的に参加しようとしているか、他者の意見を最後まで聞こうとしているか、他者に自分の意見をきちんと伝えられているか【議論・発言】 | ||
米国の飛行機操縦免許に関する条件を説明する(10分) | スライドにて説明する。なるべく学生に考えさせるようにする。米国ではかなり前から相対的欠格事由の考え方があった。S17-18 | 教員の説明を理解できているかどうか【観察】 | |
ま と め |
できることとできないことの考え方を学ぶ(10分) | スライドにて、米国の医師がきこえる患者にも対応できている例を説明して、学生に具体的なイメージをつかませる。卒業するまでに、自分ができることとできないことを正確に理解する方法として、バイト体験やインターン体験があることを気づかせる。(キャリア教育の観点)S19-20 | |
まだ課題が残されていることを理解する(10分) | スライドにて、直接的制限がなくなっても間接的制限があることを説明する。S21 教員が発問する形で、学生に本授業で学んだことを確認できるようにする。 発問例:
|
学生が本授業のポイントを理解できているか【発問】 |
・DVD「壁を拓く、社会を開く」シリーズ(I,II,III) 聴力障害者情報文化センター
・書籍「聞こえない人にも運転免許を−田篭勝三・欠格条項と苦闘したろう者の物語」福岡県聴覚障害者協会
さらに深く学ぶために
・目で聴くテレビ「薬剤師:柴田昌彦さん」16分16秒、ろう者として薬剤師の資格を取得後、それまできこえる薬剤師の話がわからないために困っていた聴覚障害者を対象に、医療関係者と連携して服薬指導を行っている。