筑波技術大学に在籍する聴覚障害のある学生20名
通常教室 90分授業
1)俳句や漫画の分野でも聴覚障害者による作品がいくつかあることを知る。
2)聴覚障害者自身の作品を鑑賞し、視覚要素、ろう者の生活文化、ろう者コミュニティとの繋がりの3点をポイントに分析する技術を身につける。
3)漫画が聴覚障害者にどういう影響を与えているかを学ぶ。
・ワークシートを配布、終了時にスライド資料を配布する。
・ワークシートを使ってグループ活動ができるようレイアウトを考える。必要に応じてブギーボードを利用させる。
・坂口環さんの4コマ漫画のコピーを準備する。配布して授業後直ちに回収。
・日本聴力障害新聞を課題で用いる。
過 程 |
学習活動 | 指導・支援内容 (留意事項及び配慮事項) |
評価の観点 |
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導 入 |
芭蕉の俳句における聴覚イメージを理解する(10分) |
本授業の流れを説明する。まず俳句、次に漫画を扱う。 S3で松尾芭蕉の俳句を二題示す。学生に「古池や〜」を手話で表現させる。 発問
発問
聴覚イメージを作るためには下から上の方向に読む方法もあることを説明し、切れ字「や」の働きについても解説した後、次に進む。 |
コミュニケーション方法を調整できているか【観察・発問】 入学以前に身につけた教養を活かせているか【発問】 |
展 開 |
聴覚障害のある俳人3名の紹介と、彼らが詠んだ俳句を読むときのポイントを理解させる(10分) | S4で聴覚障害のある俳人がいることを示し、彼らの俳句を読むに3つのポイントを押さえておくことを説明する。
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3名それぞれの俳句を紹介し、分析させる(20分) | S6/7/8で杉山の俳句を紹介し、俳句の意味を理解させるとともに、学生に、視覚イメージ・ろう者の生活文化の点で考えさせる。 S9/10で村上の俳句を紹介し、俳句の意味を理解させるとともに、学生に、視覚イメージ・ろう者の生活文化の点で考えさせる。 S11で阿波野の俳句を紹介し、俳句の意味を理解させるとともに、学生に、視覚イメージ・ろう者の生活文化の点で考えさせる。 |
教員の説明を理解できているかどうか【観察】 | |
ま と め 1 |
俳句セッションのまとめ(5分) | 俳句セッションの復習として、ろう者コミュニティのB&Cモデル(S12)を用い、3人の俳人がモデルのどの部分に位置していたのかを考えさせる。 ※時間に余裕があれば、吉沢昌三先生、あるいは卒業生の俳句を紹介する。(S13.14) |
授業の流れを理解できているか【発問】 |
展 開 |
漫画と聴覚障害者の関わりを認識する(10分) | S16で、漫画が聞こえない自分たちに必要と思える場合、その理由を10名ほどの学生にあげてもらい、ホワイトボードに書く。S16で理由を整理し、発問にて漫画と聴覚障害者の関わりを認識する。 発問
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自分の意見をきちんと言えているか【発問】 |
ろう者の描いた漫画を分析する(30分) | S20で漫画を描いているろう者、坂口環さんを紹介し、分析のポイントは俳句と同様であり、特に「漫画に聴覚障害者の生活文化を読み取れるか?」を意識して、坂口氏の4コマ漫画を分析させる。コピーの配布。分析ができたら、4人ほどのグループで、「ろう者文化ベストワン」を決める。 | ポイントを理解して分析作業をしているか【観察・発問】 | |
ま と め 2 |
漫画セッションの復習として、俳句セッションと同様にろう者コミュニティB&Cモデルを用い、坂口氏が文化の発信源に位置することを確認させる。 | 授業の目的を理解できているか【発問】 | |
本時学んだ内容を復習し、将来を意識する(5分) | 教員が発問する形で、学生に本授業で学んだことを確認できるようにする。 発問例:
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教員の説明を理解できているか【発問】 |
・たまき(坂口環)「4コマまんが たつの家」公益社団法人岡山県聴覚障害者福祉協会 http://okayama-deaf.org/ 出版物のご案内
さらに深く学ぶために
・永井哲1998年 「マンガの中の障害者たち」
・日本聴力障害新聞縮刷版(四コマ漫画、俳句など)