「ろう学校におけるろう教育法の変遷」学習指導略案

1 対象

大学生(聴覚障害学生含む)

2 指導の形態

インターネット(YouTube使用)環境がある教室(90分)

3 指導の目的

1)ろう学校における様々な教育法について歴史を通して理解する

2)手話法、口話法などの様々なろう教育の違いを知る

3)本来のろう児童・生徒にとって理想のろう教育とは何かを考える

4 指導にあたって

・ろう学校経験がある人は自分の母校ではどのようなろう教育が行われているか、ろう学校の経験がない人はろう学校ではどのような教育が行われているか、事前に学生に調べさせる

・本指導案で紹介のある京都府立聾学校、日本聾話学校、明晴学園の教育方針について事前に調べておくとより理解が深められて良い

5 本時の展開


学習活動 指導・支援内容
(留意事項及び配慮事項)
評価の観点

事前に調べたろう学校の教育について情報交換する(15分) スライドP.2を出して、
・ろう学校における教育のイメージ
・実際のろう学校における教育状況
2点について調べたことを情報交換させる
事前にしっかり調べてきているか【観察】


ろう学校で行われている教育法について理解する(20分) スライドP.3を出して、ろう学校によって様々なコミュニケーション方法による教育が行われていることを簡潔に説明した後に動画を視聴させる
動画は以下の3場面について見せる
※動画視聴①
『日本最初盲聾唖教育 京都府立聾学校』
・口話法の授業[01:23-01:45]
・手話禁止[05:11-06:13]
・手話の授業[06:14-06:36]
日本で最初のろう学校の教育法について理解できているか【関心】
ろう教育の歴史について理解する
ワークシート問1に記入する(15分)
ろう教育の歴史について説明した後に、ワークシート問1に記入をするように促して、ろう教育の歴史について改めて理解させる(P.5〜P.10) ろう教育の背景について理解できているか【内容理解】


明晴学園での様子について動画を視聴する(20分) ※動画視聴②
『みんなで創った夢のろう学校』
・ろう文化:みんなの前で話す[03:11-04:00]
視聴後にワークシート問2について記入を促す 動画で紹介した2つのろう学校の違いについて何を感じたか【ワークシート】


全体を通して改めて、ろう学校の理想的な教育とはなにかについてグループディスカッションを行う(20分) *グループディスカッション
「ろう児・ろう生徒にとっての理想的なろう教育とは?」
教育法は様々であるが、その教育法によってろう児・ろう生徒の今後の生き方にどのような影響があるか考えさせる
ワークシート問4にまとめさせる
理想のろう教育についてしっかり考え、発表できたか【考察・発表】

6 参考・引用文献またはWebサイト

・動画:【動画祭2009優秀賞】みんなで創った夢のろう学校

・動画:日本最初盲聾唖教育 京都府立聾学校史

・Web:京都府立聾学校, http://www.kyoto-be.ne.jp/rou-s/cms/

・Web:学校法人日本聾話学校, http://nrg.ac.jp/

・Web:明晴学園, http://www.meiseigakuen.ed.jp/

・書籍:「聾の人びとの歴史」, ペール・エリクソン著, 中野善達・松藤みどり訳, 明石書店, 2003.

・書籍:「創立百十周年記念誌大阪市立聴覚特別支援学校」, 大阪市立聴覚特別支援学校, 2010.

・論文:上野益雄・野呂一・清野茂(2002):大阪市立聾唖学校教師たちの手話についての考え方, つくば国際大学研究紀要, No.8, 53-74.

作成:矢野 羽衣子(2018年)
編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当

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