自立活動「乗富秀人氏が描くデフアートにみるろう者の手話文化」学習指導略案

1 対象

高等部

2 指導の形態(環境や指導法)

DVDの使用ができる教室

3 指導の目的

1)デフアートについて理解する

2)乗富秀人氏が描くデフアートを通してろう社会について理解する

4 指導にあたって

・事前に参考・引用文献に目を通しておくとより指導しやすくなる。

5 本時の展開


学習活動 指導・支援内容
(留意事項及び配慮事項)
評価の観点

 
「アート」と「デフアート」の違いについて理解する スライド2ページを使用
「アート」,「デフアート」と聞いて思いつくことを自由に発言させる
積極的に挙手しているか【関心意欲】

 
スライド3ページを使用
「アート」,「デフアート」それぞれの違いについて説明する
「De’VIA」について理解する スライド4ページを使用
「De’VIA」という言葉が生まれた経緯について説明する
スライド5ページを使用
「De’VIA」のテーマである「反抗」と「肯定」について説明する
国内におけるデフアートの第一者でもある乗富秀人氏について知る スライド6ページを使用
乗富秀人氏について紹介する
集中して映像を視聴しているか【態度】
映像を視聴する スライド7ページを使用
【映像視聴】
ろうを生きる難聴を生きる
『デフアートに希望を託して』
「作品の説明」[01:40〜02:47]
※「月の光」について説明。横になると「目」の形になる。「目」で見ながらコミュニケーションをとるという説明

「色のこだわり」[03:15〜05:02]
※紺・青・白3色の絵の具しか使っていないその理由を説明

「絵本」[06:19〜07:33]
※絵本に載せているアートについて説明

「デフアートを始めたきっかけ」[09:55〜12:45]
※乗富氏がデフアートを始めたきっかけを説明
上記4つの動画を見せた上で、みんなの考えを話し合う


乗富氏が描いたデフアートについて考える。 スライド8ページを使用
スライド5で紹介したDe’VIAのテーマを参考に乗富氏作絵本「手話で生きたい」に載っている絵の中から「反抗」「肯定」はどれに当てはまると思うかみんなで考えさせる。
※乗富氏の絵本「手話で生きたい」を用意する

(回答例)
肯定:
タイトル「守る」
(「手話で生きたい」12ページ)
内容「手話は命がけで守る。私が倒れたら君たちが……君たちが倒れたら君たちの子どもが……だから私は手話で守ってみせる。」

反抗:
タイトル「排除された手話」
(「手話で生きたい」14ページ)
内容「手話を使わせないなんて、間違っている。絶対に間違っている。」
積極的に発表しているか、適切な表現で発表することができているか【観察・発表】
ワークシートに記入する スライドを用いて要点を整理、理解する 要点を理解して、自分の考えをまとめられているか【ワークシート】

※特筆すべき留意事項

6 参考・引用文献またはWebサイト

・論文:菅野奈津美,大杉豊,小林洋子.「日本におけるろう芸術の動向」,筑波技術大学テクノレポート,2016,24(1):27-32

・書籍:乗富秀人.「手話で生きたい」,生活書院出版,2008

・DVD:ろうを生きる難聴を生きる,NHKETV2009年10月23日放映「デフアートに希望を託して」※聴覚障害者情報提供施設などのライブラリーで借りられます

・Web: De’VIA カリキュラム:https://deviacurr.wordpress.com/devia-curr/devia-themes/

作成:矢野 羽衣子(2018年)
編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当

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