九州の手話 1988年8月20日初版発行 1993年7月5日第2刷発行
単語読み例文原書説明文
131熊本くまもと例文熊本城を築き上げた加藤清正公の家紋である蛇の目の紋を表す。
132水前寺(公園)すいぜんじ(こうえん)例文水前寺公園は、地下からの涌き水で出来た池を中心に作られた公園。水が涌き出し、水面に水輪を作る様子を表わしている。
133阿蘇あそ例文噴火の様子。
134人吉ひとよし例文「人吉」の漢字から作られたもの。「人」と「良い」の手話が合わさっている。
145宇土うと例文宇土半島の形が、人間の横顔の鼻に当たる部分であることから。
146八代やつしろ例文八を数字の手話(8)で表わす。
147川尻かわしり例文鋳物で有名な町。鋳物を並べた店が道の両側にズラリと並んでいたので鎌などの鋳物の形と街並の様子を合わせたもの。
148健軍けんぐん例文昔、軍の飛行機練習場だった地域。複葉機の翼の形と、軍隊の行進の様子を合わせてある。
159辛島町からしまちょう例文熊本で初めて信号機が設置された所。当時の信号機がよく表現されている。
1510がむしゃらがむしゃら例文(無鉄砲の意味も含んでいる。)右手が前方へ向かっている。これは「力む」意味の手話。左手は後方へ向くが、これは「後をふり向かない」「雑念を捨てる」意味の手話でもある。
1511そらみたことかそらみたことか例文「言う(事)」「あるか?」の手話が合わさったもの。
1512クラス(学級)くらす(がっきゅう)例文左手は生徒、右手は先生。「受け持つ」「教える」の意味から。
1613納得なっとく例文「もう言うことはありません」と口を引っ込めるだけでなく、「出す顔なし」と顔まで引っ込める。
1614しまった!しまった例文「約束は済んだ。証拠はある、もう取り消しはきかない」という意味。(烙印は消せないという意味も含む)
1615隠密行動おんみつこうどう例文「だまって」「隠れて」「動き回る」
1616こじきこじき例文左手、右手共に、「汚ない」の手話。それに物乞いをするしぐさを合わせたもの。
1717あほ、まぬけ、ばかあほ、まぬけ、ばか例文相手がだらしなくなったり、シャキッとしていなかったり、きちんとやらなかったりという事で、胸をきりっと張って歩かないし、手も生き生きしていなく頭も弱いという意味。
1718まさか!まさか例文手話の形は「見る」+「出来ない」であるが、意味は、「出来ないように見える――のに、出来た。まさか!」となる。
1719何回も、次々に、よく見る、よくやるなんかいも、つぎつぎに、よくみる、よくやる例文1,2,3,4,5…と数を増やしていく事の表現。
1720算数さんすう例文5つ玉のソロバンから。ろう者はかけ算の九九はリズム的にむずかしい。手の指を使って計算するのでその意味も込められている。
18211ぺんだけ(経験)あるいっぺんだけ(けいけん)ある例文「1回終わり」→1回経験したことになる。
18221ぺんもないいっぺんもない例文「1回ない」→経験なし。「ない」の手話はただ当たりまえに「ない」と表現するのでなく、かなり特徴がある。
1823無作法ぶさほう例文頭、つまり精神が汚ないということから。
1924よく考えて自覚しろよくかんがえてじかくしろ例文「おまえ、頭でよく考えて理解しろ!」の意。
1925互いに嫌い合っているたがいにきらいあっている例文いやなものは指ではじく、お互いに嫌い合っている場合、どちらもはじき合う。
1926冷や汗もの(ヒヤッとした、危なかったなあ)ひやあせもの(ひやっとした、あぶなかったなあ)例文ひやっとした時の気持ちを表している。特に、顔、口が大切であるが、体の表情はもっと大切である。(みなさんは、ひやっとした時、自分の手がどこにいくか、おわかりですか?)