第5回ろう者学ランチトークの開催報告:重田千輝さん

2013/12/08掲載

 10月30日(水)に第5回ろう者学ランチトークが開催されました。

 筑波大学大学院の重田千輝さんにお越しいただき、『映像メディアについて考える~ろう者が見やすい字幕とは~ 』についてお話しいただきました。重田さんは筑波大学大学院の院生で、大杉研究室にて聴覚障害者向けの日本語字幕やバリアフリー映画の取り組み等について調査を行っており、今回はその成果をお話し頂きました。

 おかげさまで教職員・学生あわせて20名の参加がありました。

 洋画は大抵の場合、日本語の字幕が付きますが、聴覚障害者向けに作られているものではありません。そして邦画は近年字幕が付くようになり、最近はようやく聴覚障害者向けの日本語字幕が付けられる作品が増えてきました。しかし、まだまだ、ろう者にとってわかりやすい字幕とはいえません。

 今回は実際にバリアフリー映画として聴覚障害者向けの字幕が付いている映画の一部を鑑賞して音に関する情報の伝え方や話者の掲示方法など、ろう者にとってわかりやすい字幕のポイントをまとめて話してくださいました。例えば、①倒れる音「バタッ」を字幕で表示している、②複数の話者が一斉に話す場合はそれぞれの名前をつける、③音楽が流れているシーンでは音楽マークを表示する(始めと終わりを強調する)、④「ささやき声」「小声」など声の状態も字幕で表示するなど、様々なポイントを挙げて頂きました。

 普段、テレビや映画等で字幕を目にしていると思いますが、実際にはどのくらい情報を得られているのか、また、どのようなポイントをふまえて字幕が制作されているのか、改めて意識させられた講演内容だったと思います。

 参加して下さった皆さま、ありがとうございました。


 

 

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