2021年度第7回ろう者学トーク:那須映里さん

2021/12/08掲載

 ろう者学ランチトークは、2013年から本学天久保キャンパスを会場として開催してきましたが、2020年度より新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、リモート収録してネットで限定公開する方法に変更しております。2021年度もこの方法を継続しており、第7回ろう者学トークとなります。動画は全国の高等教育機関等で学ぶきこえない学生、きこえにくい学生、支援などに関わる学生、教職員の皆さまにも限定公開にて視聴いただける形としております。本記事の末尾に申込み方法を記載していますので、お気軽にお問い合わせください。

 さて今回は、日本人として初めてデンマークのフロントランナーズに留学した経験があり、国際手話通訳としても活躍され、テレビ主演、ろうちょ〜会などで手話啓発活動に取り組んでおられる那須映里氏を講師にお招きして、「日本人初、フロントランナーズに留学して」というテーマでご講演いただきました。

 最初に講師 那須映里氏のプロフィールをご紹介いたします。

那須映里さん

那須映里さん

1995年、東京に生まれる。デフファミリー。
日本大学法学部新聞学科卒業。
2019年9月から2020年6月までデンマークにあるFrontrunnersに留学し、ろう者のリーダーシップや組織活動について学ぶ。 現在は帰国し、NHKテレビ「みんなの手話」準レギュラー出演、手話普及活動、国際手話通訳、ろうの子どものための活動をするしゅわえもんスタッフ、ろうと聴者が交流するろうちょ~会、東京都聴覚障害者連盟青年部役員活動にも取り組む。 VVパフォーマンス、手話表現者、手話エンターテイナーとして活動中。

 NHKのテレビ出演をはじめ、手話指導、手話の普及活動など多方面でご活動されている那須さんに、デンマークにあるフロントランナーズに留学したお話をしてくださいました。まず、「フロントランナーズって何?」と初めて知る方は多いと思います。フロントランナーズはホイスコーレ型の学校で、ホイスコーレ型とは、北欧独自の学校のタイプで試験も成績もなく、自分の人生について考えたり自然の中で命について学んだりする学校です。日本にはそのような学校はあまり見られないと思います。那須さんが学んだフロントランナーズは、国籍に関係なくきこえない人が学べる学校であり、きこえる人のホイスコーレ型の学校と異なるのは入学試験の有無のみだそうです。フロントランナーズでのコミュニケーション手段は国際手話で、最初はそのスキルを持っていなくても、入学後、授業や生活で身につけることができるそうです。
 日本も含めて世界において、人工内耳の普及によって手話で話すろう者が減少し、デフコミュニティが衰退しつつあるという現状があります。また、将来手話がなくなってしまう可能性もあり、デフコミュニティをけん引する人材、社会を変えるための活動ができる人材を育成することがフロントランナーズの目的だといいます。留学にかかる費用は、授業料だけでなく滞在費や食費などすべて含めると約150万円で、通常の留学と比べてリーズナブルであると話してくださいました。
 「手話やデフコミュニティを守るためにどうしたら良いか?」那須さんは、フロントランナーズで学んだことを現在のご活動につなげていることと思います。私たちろう者も自分にできることは何か、考えたり話し合ったりする機会を設けたら良いのではないでしょうか。
 ご講演くださった那須映里さん、本当にありがとうございました!

視聴の申込方法

 本動画の講師である那須氏は日本手話言語で講演しております。動画は25分39秒で、日本語字幕を付与しています。ぜひご視聴ください。視聴をご希望される方は下記をご確認の上、下記申込先までご連絡ください。

高等教育機関等の名称・部局:
氏名:
視聴期間:〇月✕日~〇月✕日(2021年12月から2022年2月までの間、
     日曜日開始・土曜日終了の1週間を上限とする)
     視聴希望日の1週間前までにお申し込みください。
     事務局スタッフの勤務体制により、
     日にちによりましてはすぐに対応できない場合がございます。
対象者:きこえない学生、支援学生、支援室関係者など
対象者数:◯名
申込先:info●deafstudies.jp (●に@を入れてご使用ください。)

皆さまのお申し込みお待ちしております。

トークの様子

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