ろう難聴者の様々な生き方を模索していく学問でもある『ろう者学』。
本学では、ろう者学教育コンテンツの開発及びろう者学を学ぶカリキュラムの作成や提供に取組み、2013年度から取組みの一環として「ろう者学ランチトーク」を開催してきました。
2019年度までは本学天久保キャンパスを会場として対面で開催しておりましたが、2020年度からは新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に伴い、「ろう者学ランチトーク」の開催形態を変更し、「ろう者学トーク」として撮影・編集した映像コンテンツをご提供しております。
「ろう者学ランチトーク」と同様に、本学や他大学等を卒業した後にキャリアを積んでいるきこえない方々を講師として、これまでのご経験や現在の活動を通して、ろう難聴者のキャリア形成に必要と考える知識についてご講演いただいております。
本コンテンツはお申し込みいただきました皆様への限定公開となっておりますが、全国の高等教育機関等で学ぶきこえない・きこえにくい学生、きこえる学生、支援などに関わる学生、教職員の皆さまをはじめ、ろう者学やろう難聴者に関心をお持ちの方々にも視聴いただけます。視聴のお申し込み方法につきましては、下記をご参照ください。
2022年度第5回ろう者学トークの講師は、ろう学校の教諭として勤務する傍ら、NHKの手話ニュースキャスターもされており、そして先日の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会や北京2022オリンピック・パラリンピック競技大会の開閉会式においてろう通訳としてご活躍された戸田康之氏です。「ろう通訳 ~ろう学校での取組み~」というテーマでご講演いただきました。
最初に講師 戸田康之氏のプロフィールをご紹介いたします。
埼玉県立大宮ろう学園で教鞭をとられている戸田康之さんは、東京オリンピックの閉会式やパラリンピックの開閉会式、そして北京での冬季オリンピックの開閉会式がテレビ放映された際に、ろう者による手話通訳としてろう通訳を務められています。
この放映がきっかけで、ろう通訳という存在が広く認識されるようになりました。ろう通訳がいたおかげで、オリンピックやパラリンピックの開閉会式をいつもより楽しめたという声も多く聞かれています。
ろう通訳は以前からさまざまなところで導入されてきていましたが、戸田さん曰く、当初大宮ろう学園においてろう通訳の導入を試みようとしたものの、なかなかそう簡単なものではなく、周囲への理解、そしてろう通訳導入の実現までに5年もかかったそうです。
一般的に、手話言語通訳といえば、音声から手話言語、手話言語から音声に訳するというイメージがあります。そういうこともあり、「ろう者が通訳なんてできるのか?」という疑問を持つ人も少なからずいたそうです。
ろう通訳の仕組みとは、画面には映りませんが、フィーダーというきこえる通訳者が音声情報を手話言語に訳し、ろう通訳の人はフィーダーの通訳を見てより分かりやすい手話表現に訳するという流れになっていると言います。
戸田さんは、ろう学校におけるろう通訳の導入の意義として2つあり、一つ目は日本手話のレジスター(言語使用領域)を学べること、二つ目はろう通訳という職業を知ることでキャリア教育につながることであるとお話くださいました。
ろう通訳がいることで、情報をより分かりやすく得られるようになり、多くのきこえない人にとって重要な情報保障のひとつになっています。本当に必要とされる情報保障のあり方について深く考えさせられるご講演でした。
ご講演くださった戸田さん、本当にありがとうございました!
講師の戸田氏は日本手話言語で講演いただいております。動画には日本語字幕を付与していますので、ぜひご視聴ください(38分50秒)。
【お申し込み方法】
視聴をご希望される方は下記破線内1〜5についてご記載いただき、ろう者学教育コンテンツ開発取組担当(E-mail:info@deafstudies.jp)までご連絡ください。
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※本コンテンツは学生、教職員、支援・教育関係者の皆様にご視聴いただけます。
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【問い合わせ先】
ろう者学教育コンテンツ開発取組担当
E-mail: info@deafstudies.jp
※事務局スタッフの勤務体制により、映像コンテンツ視聴のお申し込みやお問い合わせの対応にお時間をいただく場合がございます。
あらかじめご了承ください。