2022年度ろう者学トーク限定配信(第6回)のご案内:松山建也氏「運転士としての経験(トラック・バス)と今後の大きな目標」

2022/10/28掲載

 ろう難聴者の様々な生き方を模索していく学問でもある『ろう者学』。
 本学では、ろう者学教育コンテンツの開発及びろう者学を学ぶカリキュラムの作成や提供に取組み、2013年度から取組みの一環として「ろう者学ランチトーク」を開催してきました。
 2019年度までは本学天久保キャンパスを会場として対面で開催しておりましたが、2020年度からは新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に伴い、「ろう者学ランチトーク」の開催形態を変更し、「ろう者学トーク」として撮影・編集した映像コンテンツをご提供しております。
 「ろう者学ランチトーク」と同様に、本学や他大学等を卒業した後にキャリアを積んでいるきこえない方々を講師として、これまでのご経験や現在の活動を通して、ろう難聴者のキャリア形成に必要と考える知識についてご講演いただいております。
 本コンテンツはお申し込みいただきました皆様への限定公開となっておりますが、全国の高等教育機関等で学ぶきこえない・きこえにくい学生、きこえる学生、支援などに関わる学生、教職員の皆さまをはじめ、ろう者学やろう難聴者に関心をお持ちの方々にも視聴いただけます。視聴のお申し込み方法につきましては、下記をご参照ください。

 2022年度第6回ろう者学トークの講師は、ろう者として日本初のバス運転士で、東京バス株式会社にて高速バスと観光バスを中心に乗務されている松山建也氏です。「運転士としての経験(トラック・バス)と今後の大きな目標」というテーマでご講演いただきました。

 最初に講師 松山建也氏のプロフィールをご紹介いたします。

松山建也氏

松山建也さん

福島県いわき市生まれ。4歳から埼玉県に住む。
家族:両親がろう者・妻はきこえる人で1歳の娘がいる。
埼玉県立特別支援学校大宮ろう学園卒業
(幼稚部~高等部専攻科情報ビジネスコース)
卓球部部長、高等部生徒会副会長、サッカーロボット大会優勝の経験がある。
資格:ワープロ実務検定1級・情報処理検定1級・PC検定3級
趣味:旅行・ドライブ・公共交通機関巡り・都市計画ゲーム

 子どもの頃からバス運転士になることが夢だった松山建也さんは、ろう学校を卒業した後、大手銀行での勤務、運送会社でのトラックドライバーを経て、2017年に念願のバス運転士になります。実は、バス運転士になるまでの間に、マイホームを建てるために銀行から給与の良いトラックドライバーに転職したという経緯があるといいます。転職先の運送会社では、これまでにろう者を採用したことがなく松山さんが初めてだったそうです。運送業界では人材不足の問題を抱えており、松山さんは社長にろう者ドライバーを増やしてはどうかと提案します。松山さんがSNSなどで呼びかけた結果、5人のろう者が集まり、彼らの努力が認められ、現在では約20人のろう者がドライバーとして活躍されているそうです。
 やがて、2016年、松山さんに大きな転機が訪れます。松山さんは子どもの頃からバス運転士に憧れていましたが、当時は欠格条項によってろう者は第二種運転免許を取得することができなかったため、バス運転士の夢を諦めていたといいます。ところが、道路交通法の改正により、ろう者も第二種運転免許の取得ができるようになり、松山さんの夢が返り咲きます。トラックドライバーの経験を活かして、バス会社に転職します。5社目の面接で1回目は不採用でしたが、社長が考え直してくださり2回目の面接で採用が決まったとお話しくださいました。
 2017年10月、松山さんは晴れて、念願のバス運転士になります。そして5年が経ち、現在は4人のろう運転士が夜行バスを担当しています。車両点検、点呼、乗車受付など仕事の流れや、他の運転士や乗客とのコミュニケーション手段についてもご説明くださいました。2018年、応援してくださっているお客様たちが企画してくださった観光ツアーの貸切バスを初めて担当することができ、バス運転士としての活動の幅を広げます。
 最後に、松山さんは今後の大きな夢として、ろう者のためのバス会社を創業することだとお話しくださいました。これまでに努力と何事も諦めない行動力でいくつもの夢を叶えてこられた松山さんならば、会社創業を実現できる日も遠くはないことと思います。皆さんも松山さんのバスに乗ってみませんか?
 ご講演くださった松山さん、本当にありがとうございました!

 講師の松山氏は日本手話言語で講演いただいております。動画には日本語字幕を付与していますので、ぜひご視聴ください(22分10秒)。

【お申し込み方法】
視聴をご希望される方は下記破線内1〜5についてご記載いただき、ろう者学教育コンテンツ開発取組担当(E-mail:info@deafstudies.jp)までご連絡ください。

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  1. 教育機関等の名称・部局:
  2. 氏名:
  3. 視聴期間:〇月✕日〜〇月✕日(2022年10月から2023年2月までの間、日曜日開始・土曜日終了の1週間を上限とする)
    ※視聴希望日の約1週間前までにお申し込みください。
  4. 利用目的:(例:授業、研究、視聴会など)
  5. 対象者数:〇名

※本コンテンツは学生、教職員、支援・教育関係者の皆様にご視聴いただけます。
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【問い合わせ先】
ろう者学教育コンテンツ開発取組担当
E-mail: info@deafstudies.jp

※事務局スタッフの勤務体制により、映像コンテンツ視聴のお申し込みやお問い合わせの対応にお時間をいただく場合がございます。
あらかじめご了承ください。

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