2022年度第3回ろう者学トーク:廣瀬芽里さん「発展途上国&日本でろう者と聴者の垣根をなくそう!」

2022/07/08掲載

 ろう難聴者の様々な生き方や考え方を模索していく学問でもある『ろう者学』。本学では、2013年より天久保キャンパスを会場としてろう者学ランチトークを開催してきました。2020年度より新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、リモート収録してネットで限定公開する方法に変更しております。2022年度もこの方法を継続しており、今回は第3回ろう者学トークとなります。リモート収録した動画は全国の高等教育機関等で学ぶきこえない・きこえにくい学生、きこえる学生、支援などに関わる学生や教職員の皆さまをはじめ、ろう者学やろう難聴者の生き方や考え方等に関心をお持ちの方々にも限定公開にて視聴いただける形としております。本記事の末尾に申込み方法を記載していますので、お気軽にお問い合わせください。

 今回は、青年海外協力隊としてドミニカ共和国のろう学校での指導、就労支援をされた経験があり、帰国後に2つの支援団体を設立し、国内外問わずろう者のための支援に力を入れられている廣瀬芽里氏を講師にお招きして、「発展途上国&日本でろう者と聴者の垣根をなくそう!」というテーマでご講演いただきました。

 最初に講師 廣瀬芽里氏のプロフィールをご紹介いたします。

廣瀬芽里さん

廣瀬芽里さん

栃木県出身、先天性のろう者。

2013年1月〜2017年1月までJICA (国際協力機構)青年海外協力隊としてドミニカ共和国にあるろう学校で教鞭を執る。

帰国後に途上国支援団体「Yes,DeafCan!(ろう者でもできる!)」設立。

また日本ろう者生活向上団体「Nadeshiko yoriai(撫子寄合)」設立。

全国にて講演活動中です。

 廣瀬さんは7歳頃まで栃木のろう学校に通っていましたが、東京に引っ越し一般校に通います。高校生の時に日本で開催された世界ろう者会議への参加を機に、積極的に国際交流をするようになったと言います。設計者として企業に8年勤めた後、アメリカの友人と会社を立ち上げ、手話言語のスクール経営をします。デフリンピックで日本選手団の国際手話通訳者として同行したり、2ヶ月間の5000キロに及ぶアメリカ自転車横断での募金活動に参加したりするなど海外での経験を重ねます。
 そうした中で、廣瀬さんは「手話は福祉なのか?」と疑問に持っていたそうです。本屋で手話言語に関する本が福祉やボランティアの棚に置かれているのを見て、こういう風潮だから手話言語をビジネスにつなげるのが難しいのではと悩んだと言います。アメリカではろう者だけで立ち上げる会社が多くあるのに、日本はなぜ少ないのか?そういった現状でアメリカとの違いを知るために、ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業の支援を受けてアメリカに渡ります。3年半の研修を経て帰国すると、青年海外協力隊にチャレンジしてみたらと声がかかります。高校生の時から憧れていたものの、ろう者だと受け付けてくれないと諦めていましたが、障害者でも参加できると分かり応募したそうです。晴れてドミニカ共和国へ派遣され、ろう学校での指導や成人ろう者の就労支援を行います。
 帰国後、NPO法人「Yes, Deaf Can!」を設立し、再びドミニカ共和国に戻り支援活動を続けます。仕事を始めるための資金を無利子で貸したり、就労訓練の講習会を実施したりするなど支援をされています。また、一般社団法人「撫子寄合」を立ち上げ、世界各国の手話言語の講座や通訳・翻訳サービスなど提供しているとお話くださいました。廣瀬さんのご活動に興味のある方、お申し出いかがでしょうか。
 ご講演くださった廣瀬さん、本当にありがとうございました!

視聴の申込方法
 本動画の講師である廣瀬氏は日本手話言語で講演しております。動画は19分50秒で、日本語字幕を付与しています。ぜひご視聴ください。視聴をご希望される方は下記をご確認の上、下記申込先までご連絡ください。

高等教育機関等の名称・部局:
氏名:
視聴期間:〇月✕日~〇月✕日(2022年7月から2023年2月までの間、
     日曜日開始・土曜日終了の1週間を上限とする)
     視聴希望日の約1週間前までにお申し込みください。
     事務局スタッフの勤務体制により、
     日にちによりましてはすぐに対応できない場合がございます。
対象者:学生、教職員、支援・教育関係者
対象者数:◯名
申込先:info●deafstudies.jp (●に@を入れてご使用ください。)

皆さまのお申し込みお待ちしております。

トークの様子

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