ろう者学ランチトークは、2013年度から本学天久保キャンパスを会場として開催してきました。2020年度は、第1回より「ろう者学トーク」として、講演をリモート撮影しており、今回は第9回となります。
新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に伴う開催形態ではありますが、リモート撮影した動画コンテンツは全国の高等教育機関で学ぶきこえない学生、きこえにくい学生、支援などに関わる学生、教職員の皆さまにも視聴いただける形といたしましたが、お申し込みいただいた皆さまへの限定公開となっています。本記事の末尾に申込み方法を記載していますので、お気軽にお問い合わせください。
さて今回は、ギャロデット大学大学院に留学し、ろう教育学部で学ぶ傍、デフアートとDe'VIAについて学んだ西雄也氏をお招きして「デフアートとDe'VIA(デビア)」というテーマでご講演いただきました。
最初に講師 西雄也氏のプロフィールをご紹介いたします。
「デフアート」はきこえない人が制作した(絵画や写真などを用いた)芸術作品のことです。その中にDe'VIA(デビア)という言葉は、「Deaf」「View」「Image」「Art」の頭文字を取り、「'」(アポストロフィ)は手話をイメージしてつくられました。De'VIAは、聞こえない人の経験を反映しており、文化的・言語的・交差的な視点から、きこえない人の経験や歴史、アイデンティティなどを表現した芸術作品であるということです。本トークでは、デフアートとDe'VIA(デビア)について、その成立の歴史や概念、考え方、表現方法の特徴などについて解説いただいています。
De'VIAによく使われるモチーフや表現の特徴には、目、耳、口、そして手(手話)があります。それらを用いて、手話が禁止されていた時代や口話教育、きこえない人のコミュニケーションの状況等による社会やシステムからの抑圧を表現したり、手話などのモチーフを用いてきこえない人のアイデンティティを表現しています。
トークの中では、ベティ・ミラー氏、チャック・ベアード氏らが描いた実際のDe'VIA作品を取り上げて、表現の特徴や作品から伺えるテーマ(抑圧された経験やアイデンティティ等)を解説いただきました。きこえない人がどんなことを制限され苦しみ、何を誇りに何を守ってきたのか。またきこえる人がマジョリティの社会でどのように感じ考えてきたのかが、De'VIAの作品から瞬間的に鮮烈に伝わってきます。同時にまた、芸術(art)という表現媒体が、見る者にもたらす力に圧倒されるに違いありません。
今日のきこえない人々が、De'VIAに描かれた経験に共感したり先人たちの歴史に思いを馳せたりすることはもちろんのこと、きこえる人々にも、きこえない人の視点や経験について新たな観点や重要な示唆を与えるでしょう。
ご講演くださった西雄也さん、本当にありがとうございました!
視聴の申込方法
本動画の講師である西氏は日本手話言語で講演しております。動画は19分01秒で、日本語字幕を付与しています。是非ご視聴ください。視聴をご希望される方は下記をご確認の上、下記申込先までご連絡ください。
高等教育機関等の名称・部局:
氏名(担当者):
視聴期間:〇月✕日~〇月✕日(2021年1月から2021年3月までの間、
日曜日開始・土曜日終了の1週間を上限とする)
視聴希望日の1週間前までにお申し込みください。
事務局スタッフの勤務体制により、
日にちによりましてはすぐに対応できない場合がございます。
対象者:きこえない生徒・学生、教職員、支援学生、支援室関係者など
対象者数:
申込先:info●deafstudies.jp(●に@を入れてご使用ください。)
みなさまのお申し込みお待ちしております。