自立活動「手話の地域別、年代別バリエーションについて知る」学習指導略案

1 対象

高等部

2 指導の形態

パソコン教室が望ましい

3 指導の目的

1)手話の地域別、年代別バリエーションについて知る

2)自分たちが使用する手話に対してより興味・関心を持つ

3)題材を注意深く観察し、考察する力を高める

4 指導にあたって

・豊島トヨ子氏「私の生活史 〜ろう女性として〜」の映像はまず字幕なしで見せ、後に字幕付きで見せるなど、工夫ができると良い。

5 本時の展開


学習活動 指導・支援内容
(留意事項及び配慮事項)
評価の観点
 

 
自分たちが普段使用する手話について振り返る 生徒たちに全員、同じ手話を使っているかどうか質問
例:他の聾学校の生徒との交流など、自分の手話が通じない経験はあったか
 
本授業の流れを説明
 
ワークシート記入
地図観察前の導入として、年配の方の手話と自分たちが使用する手話を見比べてみる
※映像視聴
豊島トヨ子氏「私の生活史 〜ろう女性として〜」[聾学校での生活:5分程]
豊島さんの映像を観てどう思ったか問いかける(見たことのない手話表現があれば挙げてもらう)
 
映像をしっかり視聴し、手話を読み取ろうとしているか【観察】
日本手話言語地図の目的・使い方について学ぶ 〈日本手話言語地図について説明〉
①PC立ち上げ(可能であれば授業前に立ち上げる)
②日本手話言語地図HPへアクセス
③地図の使い方説明(資料5参照)
  • 様々な種類の単語があること
  • 70代と30代に分かれていること
  • 地域によってバリエーションが異なり、色分けされていること
 

 
日本手話言語地図を観察し、比較する(ワークシート記入)
 
 
 
 
地域別、年代別の手話の違いを知る
【ワークシート課題】
①地域別の比較(70代)
 ・猿
 ・水曜日
 ・100(円)
※手話の位置や手の形が異なりバリエーションが豊富であることや、当時の時代背景が表れる手話もあることを知ってもらう(例えば島根県の“水曜日”は水車を表している)
地図の手話を観察し、比較・考察しているか【観察】
時代による手話の変化の特徴を知る ②地域別の比較(30代)
 ・鶏
 ・日曜日
 ・体育
※バリエーションは豊富であるが、手の形や位置は似ているところが多くなることを知ってもらう
 
 
観察や比較を通して、手話にどのような特徴があるかを考察しようとしているか【考察】
議論・ワークシート記入 ③年代別の比較(70代と30代)
「日本手話言語地図」を視て、70代の人と30代の人の手話を比べてどんなことに気づいたのか、ペアに分かれて話し合い、ワークシートに記入する
 
観察や比較を通して、気づいたことを自分の言葉でまとめられているか【観察・発表】
 
比較した結果、発見したことをまとめて発表する
 
ペア何組かに発見したことや感想を発表してもらう
 
 
 
 
 


確認・まとめ 本授業で分かったことの整理
  • 地方や時代によって手話は異なることを確認する(詳しくは資料4参照)
  • 現在の手話は共通化が進められ、皆だいたい同様の手話を使っていることを確認する(昔は県外との行き来が大変、全国的な交流が少なかったなどの背景があった)
    ⇒自分たちが使用する手話について、言語であるということを意識させる
 
手話は年代別、地域によって異なることを理解しようとしているか【理解】
自分たちが使用する手話に興味・関心を持ち、肯定的に学ぼうとしているか【肯定的態度】

6 参考・引用文献またはWebサイト

・大杉豊研究室, http://www.a.tsukuba-tech.ac.jp/ge/~osugi/jslmap/map.html, 日本手話言語地図(試作版)

・ろう者学教育コンテンツ開発プロジェクト, https://www.deafstudies.jp/info/vidarc-ds/, ろう者学教育コンテンツ映像アーカイブ, 豊島トヨ子氏「私の生活史 〜ろう女性として〜」

【資料のダウンロード・映像の視聴】