中学生、高校生
一斎講義(50分)
1)より多くの聴覚障害者が「電話リレーサービス」を知る。
2)「電話リレーサービス」を使うにあたってルールを知る。
3)「電話リレーサービス」の練習をし、イメージを掴む。
・スライドの資料を配布する。
・聴覚障害者の教員で電話リレーサービスに登録している方がいる場合は、授業作成にあたっての意見を もらう。
・学校行事の一環などで電話をかける機会がある場合は、あらかじめ伝える内容をまとめておき、実際に 生徒にやってもらうと良い。
・「電話リレーサービス」を実際に使って練習できない場合、ズームを使って練習する。その場合はデバイスを3台準備する。(電話をかける役:生徒、電話に出る役:きこえる教員①、オペレーター役:きこえる教員②)
過 程 |
学習活動 | 指導・支援内容 (留意事項及び配慮事項) |
評価の観点 |
---|---|---|---|
導 入 20 分 |
「電話リレーサービス」の基本情報、歴史、基本的な使い方を知る。 | 【基本情報】 電話リレーサービスとは、きこえない人ときこえる人をオペレータが通訳して電話で繋ぐサービス」 電話リレーサービスについて知っていることがあるか、使ったことがあるかどうか問う。 【歴史】 2013年から日本財団がサービスのモデルプロジェクトを行なっていた。2020年6月5日に「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」が可決・成立となり、同年12月1日から施行されたのを経て、2021年7月1日より一般財団法人日本財団電話リレーサービスが提供する公的サービスとして運用が開始された。 【基本的な使い方】 電話リレーサービスの公式HPの先頭にある「利用方法」「注意点」を試聴させる。動画時間は合わせて4分半ほど。 その他、YouTube「電話と電話リレーサービスのマナー」(7分ほど)も視聴する。 ※動画内では緊急の電話がかけられないという説明があるが現在は可能。 その他、先生が知っている電話の常識や、電話リレーサービスを使うときの留意点なども話してあげると尚良い。 (例)相手に1分以上保留された場合は一旦電話を切り、折り返すのが望ましい。 |
教師の話を聞こうとする態度がある。 |
展 開 25 分 |
電話リレーサービスの練習を行う。 | 電話リレーサービスの「利用方法」や「注意点」をまとめたパワーポイントのスライド資料を見ながらズームを利用して実際にやってもらう。 【ズームを使う場合】 ①生徒はチャットに架空の電話番号を入れ、「手話」か「文字」のどちらかを選択し、入力する。 ②オペレーターは自身の画面をオンにし、「電話リレーサービスです」と自己紹介する。 ③生徒は手短に要件をオペレーターに伝える。 ④オペレーターがコール音を表し、通話相手は音声をオンにして音声のみで応答する(画面はオンにしない)。 ⑤実際の電話リレーサービスと同じように進める。 この時、より実際の電話に近い体験をするために、保留の流れも入れられると良い。オペレーターが保留音を手で表すことで生徒の新たな気づきにつながる可能性がある。 通話内容については生徒が決める。通話相手の教員もできるだけ実際の通話の内容に近くなるよう、返答内容を考える。 (例)「お店の予約をしたい」という内容の場合は「予約日時、人数、テーブル席かカウンター席か」などを聞く。 通話終了後、利用者を演じた生徒や他の生徒にどれくらいできていたか、資料と照らし合わせながら評価してもらう。 積極的に体験しようとしている。 |
体験を通して、実際の生活でも使おうとする意欲がある。 |
ま と め 5 分 |
強制ではないが、電話リレーサービスについて、家族やその他の者に説明してきてもらうことを宿題にする。 |
一般財団法人日本財団電話リレーサービス
https://nftrs.or.jp/
YouTube 日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクト「電話と電話リレーサービスのマナー」
https://www.youtube.com/watch?v=1FsDujC6ZLs&t=15s
作成:下森 めぐみ (2021年)
編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当