高等部3年生
通常教室
1)普段使用しているコミュニケーションアプリやSNSの役割をワークシートで整理した上で、電話リレーサービスの仕組み、使い方を知る。
2)聴覚障害者にとって、生活に欠かせない場面や緊急に連絡しなければならない場面でどう対応すればよいか考える。
3)生徒がろう学校を卒業した後、生活や仕事等さまざまな場面で役に立てるように電話リレーサービスの利便性、重要性を実感し、社会的自立を自覚する。
・携帯電話・PHSが168.4%(2017年3月 総務省調べ)の普及率になっている今、聴覚障害者にとって、LINEやスカイプなどのおかげで飛躍的に手話を使用しての連絡もとりやすくなった。しかし、聴覚障害者は、健聴者と同じように電話でリアルタイムで用事を伝えることができない。そこで、電話リレーサービスが聴覚障害者の生活の中のさまざまな場面で大きな助けとなる重要な役割を果たしていることを伝える。
・聴覚障害のある教員の中で電話リレーサービスに登録している先生がいれば、実際に生徒に体験させるのもよい。(このサービスは年齢制限を設けられていないため、生徒も利用できる)
過 程 |
学習活動 | 指導・支援内容 (留意事項及び配慮事項) |
評価の観点 |
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導 入 |
生徒のこれまでに電話を使用した経験を振り返ってみる ワークシート記入①
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電話ツールのひとつとして、スカイプやアプリのLINEなど、自分の場合どういうふうに利用しているか問いかける (メールだけでなくテレビ電話も利用できることに気付かせる) 「相手がきこえる人で手話ができない場合、どうすればいい?」と発問する |
これまでの経験や知識を想起し発表できているか【観察・発表】 |
ワークシート記入②
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これまでの経験や知識を想起し発表できているか【観察・発表】 | |
展 開 |
電話リレーサービスを使うことでどのような反響があるのかを知る | さらに、海で遭難した聴覚障害者が電話リレーサービスによって救助された事例を紹介し、時には命に関わることもあるということを考えさせる http://blog.canpan.info/ nfkouhou/archive/957 ユーザーの実際の声を提供して、電話リレーサービスがいかに生活に影響しているのか気付かせる(S4) |
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電話リレーサービスの仕組みついて知る 映像視聴① |
電話リレーサービスとは?について簡単に説明する(S5) 映像視聴① 「電話リレーサービスイメージ動画」(再配達依頼編) スライド問1と問2に合わせてそれぞれの場面で一時停止する S6 問1 [0:00~0:58] S7 答え [0:58~1:16] S8 問2 [1:16~1:31] S9 答え [1:31~2:30] 利用者・ドライバーのやりとり [2:30~3:50] 利用者が荷物を受け取る場面 [4:10~4:38] |
映像に興味を持ち集中して見ているか【関心】 | |
ま と め |
電話リレーサービスの利用方法を理解し、自分だったらどう使うか考える | 映像を見た感想やこれから使うとしたらどのように使ってみたいか等話し合う | 見た映像についてしっかり感想を述べているか【発表】 |
電話リレーサービスがあれば、きこえない人も聞こえる人と同じようにリアルタイムにきこえる相手に伝えることができることを理解する |
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自分の障害を踏まえて、生活上重要なものであることをしっかり理解できたか【理解】 |
※留意事項
・授業中に実際に電話リレーサービスを利用する場合、住所など個人情報の取扱いに留意する。
・特定非営利活動法人Information Gap Buster:
電話リレーサービス普及シンポジウム報告資料(2015年10月10日東京開催)
http://www.infogapbuster.org/?p=1088
・映像①「電話リレーサービスイメージ動画1(再配達依頼編)」
公益社団法人 鳥取県聴覚障害者協会
http://torideaf.jp/publics/index/48/ ... page48_356#page48_356
・「日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクト」日本財団ウェブサイト
http://trs-nippon.jp/
・「日本財団電話リレーサービス 利用方法」日本財団ウェブサイト
http://trs-nippon.jp/signup
・日本財団ブログ ソーシャルイノベーション探訪(スライド資料の引用元)
http://blog.canpan.info/nfkouhou/archive/957#
・参考資料(啓発パンフレット)
「電話のバリアフリー化って知ってる?」一般財団法人 全日本ろうあ連盟
https://www.jfd.or.jp/trs/files/pdf/trs-pamphlet.pdf
作成:平井 望,2018年
編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当