自立活動「歴史を学び,勤労観・職業観を育む」学習指導略案

1 対象

高等部(複数学年で合同実施も可。年に一回など、継続した指導が必要)

2 指導の形態

通常教室(人数に合わせて特別教室にて実施)

3 指導の目的

1)ろう者が戦前から戦後、現代にかけてたどってきた就労の変遷を知り、理解する

2)勤労観・職業観を育み、将来の仕事を真剣に考える機会とする

3)戦前と戦後、近年の状況を整理、比較し、雇用に関する法律について知る

4 指導にあたって

・自分のことと重ねて考えることができるよう、全国の就職・進学状況だけではなく、過去10年間の自校の進路状況について、わかりやすくまとめておくと効果的である

・映像を1.5倍速などで視聴するなど、生徒の集中力が持続するよう、実態に合わせて工夫する

・「卒業生の話を聞く会」などの前後に行うと、より効果的である(実施時期の調整)

・ゲストティーチャーを招聘できる場合は、じっくり話を聞けるよう時間を十分に確保する

実態に合わせて映像を選択し、生徒自身が考える時間を多く設けるよう工夫する

5 本時の展開


学習活動 指導・支援内容
(留意事項及び配慮事項)
評価の観点

 
ろう者の就労の歴史などを発表する ろう者の就労について、既知情報を引き出す
※発言内容を整理した上で、板書しておく
 これまでの学習内容、経験を想起し、発表することができるか【観察・発表】

 
映像を視聴し、ろう者の就労の実態を知る 「戦前のろう者の就労の状況」
<0:00~3:45>映像視聴 約4分
「戦後のろう者の就労の状況」
<5:27~10:56>映像視聴 約5分半
 映像内容に興味を持ち、集中して視聴しているか【観察】
ワークシートに自分の考えを記入する スライドを用いて、要点を整理、確認する
Q5までの問いに答えるように指示する
 要点を理解して、自分の考えをまとめられているか【ワークシート】
映像を視聴し、ろう者の就労の実態を知る 「近年のろう者の就労の状況」
<11:00~20:00>映像視聴 約9分
ワークシートに自分の考えを記入する スライドを用いて、要点を整理、確認する
最後までの問いに答えるように指示する
 積極的に発表しているか、適切な表現で発表することができているか【観察・発表】


現代と過去を比べ、編変遷を整理した上で、比較する
社会の問題と自己の将来を考える
※様々なグラフを提示し、現在と過去の状況を比較しやすいように準備する
※自校の進路先割合なども用意し、生徒が身近なことだと感じられるようにする

6 参考・引用文献

・岩山誠氏「ろう者と就労の変遷」,ろう者学教育コンテンツ開発プロジェクト,https://www.deafstudies.jp/info/vidarc/,デフスタディーズウェブサイト

・平成26年度大学,短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書,独立行政法人日本学生支援機構(2015)

・文部科学省,学校基本調査「初等中等教育機関・専修学校・各種学校」,卒業後の状況調査,特別支援学校(高等部)

・厚生労働省,平成24年障害者雇用状況の集計結果

作成:宮町 悦信(2015年)
編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当

【資料のダウンロード・映像の視聴】