自立活動「手話狂言を通して新たな芸術の形を知る」学習指導略案

1 対象

聴覚障害学生(小学生高学年〜高校生)

2 指導の形態

通常の教室(45分〜50分)
一斎授業
プロジェクターまたはモニタを使用。

3 指導の目的

小学部高学年

1)手話狂言というきこえる人の文化と聾者の文化が融合した芸術の形の1つを知る。

2)話し言葉の手話とは違う手話表現の仕方を知る。

中学部・高等部

1)手話狂言というきこえる人の文化と聾者の文化が融合した芸術の形の1つを知る。

2)話し言葉の手話とは違う手話表現の仕方を知る。

3)手話狂言特有の手話表現の背景を考え、議論する。

4)手話狂言について自分の考えを持つ。

4 指導にあたって

・スライドの資料を配布し、それに自身の考えを書き込むことでノートの代わりにする。

・本時とは別に、きこえる人が演じる狂言の動画を鑑賞し、手話狂言との違いや共通点を考える授業があ ればなお良いと考える。

・提示する手話狂言の動画について、生徒が興味を持ちそうな場面を切り取ったが、生徒の実態に即して 切り取る場面や視聴時間の調整を行うことが望ましい。

・本時は都合により1コマだけとなっているが、議論に時間を多くとるため、「導入」と「展開」の前半、 「展開」の後半と「まとめ」、というように、2回の授業に分けて丁寧に行うことで、より手話狂言についての考えが深められると考える。

・小学生高学年を対象にこの授業を行う場合は、手話狂言の動画を視聴後、スライド9で「弓矢太郎」の理解を深めたのちに、感想を書くまでの流れを学習活動とする。

5 本時の展開


学習活動 指導・支援内容
(留意事項及び配慮事項)
評価の観点


10
教師の提示するスライドを見ながら説明を聞く。
(スライド1〜7)
ろう者の芸術について簡略的に説明をする。
【手話演劇】
手話による劇。学習発表会や文化祭などで劇を行った経験がある場合、合わせて説明。
【サインマイム】
手話とパントマイムそれぞれの特徴を合わせた表現方法。
【デフアート】
ろう者が作成したアート。聾者の文化や歴史、手話が描かれることもある。
【ろう者のダンサー】
パラリンピックの開会式を例に挙げる。

狂言の説明をする際に、小学校の国語で「附子」または「柿山伏」を習った場合は合わせて説明。
スライド3の省略されている部分について、「みんなで手話狂言の特徴を考えよう」と声がけを行う。


30

35
Youtubeの手話狂言の動画を鑑賞する。

「手話狂言『弓矢太郎』」
16:35〜22:05(6分半)
(スライド8)

動画のやりとりを現代の日本語に翻訳したスライドを読んで動画の内容について理解を深める。(スライド9)

一部を抜粋した動画について、気づいたことやその理由を考える。(スライド10)

スライド11に上記を記入する。

再度「弓矢太郎の」動画を再視聴する。(スライド8)


動画の鑑賞中・後に、スライド11に下記を書き入れる。
・気づいたこと
・考えたこと

スライド11に書いたことについてクラスで話し合う。










日本手話がわからない生徒については表現の確認をする。







必要に応じて、特定のシーンの再視聴を認める。


時間がない場合は宿題とし、話し合う活動、まとめについては次時に行うこととする。


必要に応じて生徒の意見を板書する。このとき、まとめと繋がるように「手話について」「狂言特有の動きについて」「間の取り方について」「その他」に意見をカテゴライズする。

生徒の書き込みだけでは話し合いが十分でないと判断した場合、教師の意見を入れる。

(例)どうして手話が大きくてゆっくりなのかな?舞台だからお客さんに見えやすくしているかもしれないし、元々の狂言の調子を残しているからかもしれないね。

(例)どうして日本手話なのかな?自分たちの言語として日本手話を使っているからかもしれないし、日本語対応手話だと古文に合わせるのが難しいからかもしれないね。



















話し言葉の手話と違う表現に気付くことができているか

手話狂言について自身の考えを持つことができているか


手話狂言について自身の考えを発表することができているか



5
スライド13ページ目を見て、自分の考えと比較する。 一人一人の意見について声がけを行いながら、手話狂言についてまとめる。

(例)○○さんのこの意見は、この「間の取り方」と関係があるね。
△△さんは、ここに書かれていないことにも気が付いたね。
いつもの会話と違う表現や工夫をすることで、手話狂言は面白さを表そうとしているんだね。

6 参考文献またはWebサイト

「手話狂言『弓矢太郎』」 https://youtu.be/pf6WizkqdNk

作成:下森 めぐみ (2021年)
編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当

【資料のダウンロード】