中学部
通常の教室、一斎授業
1)聴覚障害者は多様性豊かな存在であることに気づく。
2)特定のグループのみでなく、全員が交流するために何をすべきかを考える。
・視覚ベースの児童と聴覚ベースの児童に分かれてしまい、グループを超えた交流がなされなかった事例 を取り上げる。
・教員は議論のファシリテーターを担う。全ての生徒の長所を生かせるように議論の進め方を工夫する。
過 程 |
学習活動 | 指導・支援内容 (留意事項及び配慮事項) |
評価の観点 |
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導 入 10 分 |
1.聴覚障害者の多様性について考える。 | 〇まずは聴覚特別支援学校に在籍する幼児児童生徒について尋ねることで、生徒が具体的に考えられるようにする。 〇学校のろう教員や生徒の保護者、その他有名な聴覚障害者など様々な聴覚障害者を取り上げる。 ※この際、有名人については写真を用意する。 〇出てきた人物の長所について尋ねることで、その際の回答の違いから、聴覚障害者の多様性に気づかせる。 〇生徒一人一人の長所について尋ねることで、この学級も多様な聴覚障害者によって構成されていることに気づかせる。 |
〇聴覚障害者は多様性豊かな存在であることに気づく。 |
展 開 Ⅰ 15 分 |
2.交流会の失敗事例から、失敗した原因を分析する。 | 〇参加者が2つのグループに分かれ、グループを超えた交流がなされなかった事例を取り上げ、なぜグループに分かれてしまったのか、なぜグループを超えた交流がなされなかったのか尋ねる。 ※状況を説明する図を用意する。 〇生徒が事例に対して共感を示したら、なぜ共感したのかを尋ねる。 (原因を探る上でのヒントとなる。) 〇生徒からの質問があれば、参加した児童についての情報を伝える。 〇生徒によって行われた議論の要点を板書することで、板書を参考に議論を進められるようにする。 |
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展 開 Ⅱ 20 分 |
3.取り上げた交流会の改善策を考える。 | 〇どうすればグループに分かれることなく、全員が交流できただろうか問いかける。 〇「最初に自己紹介を行うとき、どのような工夫ができそうか」などと問いかけることで、具体的な場面における改善策を考えられるようにする。 〇ある程度議論が煮詰まったら、生徒がそこにいたらどんな取り組みができるかと問いかけ、改善点を具体的に考えられるようにする。 ・人数分のホワイトボードとペンを用意し、筆談できるようにする。 ・手話話者の生徒が青グループの児童に赤グループの児童とも話すよう呼び掛けたり、筆談のサポートをしたりする。 ・赤グループの児童の発言内容を手話で示し、青グループの児童にもわかるようにする。 |
〇特定のグループのみでなく、全員が交流できるために必要な方策を考える。 |
ま と め 5 分 |
4.本時のまとめを行う。 | 〇聴覚障害者の多様性と、多様性を踏まえた交流の重要性について述べる。 |
交流会の改善策を考えよう ○○さん:手話がとても綺麗 △△さん:理科博士 □□さん:指文字がとても速い ◇◇さん:足がとても速い ★★先生:手話と音声が同時に話せる いろいろな聴覚障害者がいる。
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なぜグループに分かれてしまったのか? なぜグループを超えた交流がなかったのか? 全員が交流できる交流会にするために 必要な改善策を考えよう。 |
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作成:土田 悠祐(2021年)
編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当