自立活動「ゲームを通して手話の音素を知る」学習指導略案

1 対象

聴覚障害学生(中学生)

2 指導の形態

通常の教室(45分〜50分)
一斎授業

3 指導の目的

1)日本語と同様に手話にも音素があることを知る。

2)ゲームを通し、手話の音素についてイメージを持つ。

3)手話も言語学・音韻学の一分野として扱われるということを知る。

4 指導にあたって

・スライドの資料を配布し、それに自身の考えを書き込むことでノートの代わりにする。

5 本時の展開


学習活動 指導・支援内容
(留意事項及び配慮事項)
評価の観点


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日本語の音素についての簡潔な説明を聞く。


音素についての定義を聞く。
【日本語の音素】
母音音素:a,i,u,e,o
子音音素:k,s,t,n,h,m…

【音素の定義】
語の意味を区別できる音声の最小単位のこと
(例)筆、笛、腕

「手話にも音素はあると思う?」と問いかける。
このとき、答えに詰まる様子が見られたら例を提示し、何が違うか考えてもらう。
(例)
手の形:遊ぶ、会社
動き:思う、考える
位置:思う、嘘











日本語と同様に手話にも音素があることを知る。
手話の音素について考えたことを発表する。

手話の音素についての簡潔な説明を聞く。
生徒の意見を板書する。


【手話の音素】
ウィリアム・ストーキーによると、手の形、手の位置、手の動き


25
手話言語学についての説明を聞く。

「手話はでたらめで簡単なジェスチャーと同じ」と言う考え方が今も広まっていたら、どんなことが起きていたか考え、考えたことを発表する。








ゲームの説明を聞く。



ゲームを楽しむ。
生徒の意見を板書する。
【想定回答】
手話通訳の制度が作られない。
手話で教育を受けられない。
手話を使うと差別を受ける。




生徒からの意見をまとめたのち、私たちがこうして当たり前に手話を使えているのは「手話言語学」のおかげだと伝えたのち、手話言語学に関係があるゲームをしようと提案。

【ルール】
手の形・手の位置・手の動きのいずれか1つを定め、手話表現を1つずつクラスメイトで考える。持ち時間は1人10秒ほど。
(例)手の形を選び、縛りを指文字「ひ」と定めた場合、答えになるのは「思う」「嘘」「遊ぶ」「行く」「言う」「悪い」「先生」など。このとき、定めたのは手の形のみなので、手の位置、手の動きは自由。

手話使用歴が短い、重複障害などの理由で手話表現を考えるのが難しい場合は先生か生徒がヒントを出してもよい。そうでない生徒が手話表現を思いつかなかったり、縛りと異なる手話表現をしてしまった場合はゲーム終了とするが、ルールについては生徒の確認をとりながら決めることとする。

時間を見て、縛りを変えて続行するか判断する。









手話も言語学・音韻学の一分野として扱われるということを知る。


ゲームを通し、手話の音素についてイメージを持つ。



5
手話言語学の本について紹介する。 「日本手話で学ぶ 手話言語学の基礎」
「日本手話のしくみ」

6 参考文献またはWebサイト

ウィリアム・ストーキー  https://ja.wikipedia.org/wiki/

作成:下森 めぐみ (2021年)
編集:ろう者学教育コンテンツ開発取組担当

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